高級腕時計の時計通信

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11.10.2018

オメガ|なぜ「スピードマスター」の評価が上がっているのか?

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

現在、オメガ(OMEGA)の「スピードマスター」の評価が上がっています。

 

そこで今週は、「スピードマスターの評価が上がっている理由」を、私なりに解説させていただきます。

↑スピードマスタープロフェッショナル

 

ただし、スピードマスターの評価の上昇は、スピードマスターシリーズの全てモデルに起こっている訳ではありません。スピードマスタープロフェッショナル(ムーンウォッチ)で顕著に起こっている現象です。そこで今回は、スピードマスタープロフェッショナルを中心として話を展開していきます。そのため、以降の文で登場する「スピードマスター」という言葉は、「スピードマスタープロフェッショナル」を指していると解釈してください。

 

 

 

 

 

 

■実際に、スピードマスターの評価は上がった!

 

まず、スピードマスターの評価の上がり具合を見てみましょう。例えば、1997~2014年の期間に作られた第6世代のスピードマスター、「3570.50」を例に取ります。このモデルは、かつて中古品が10万円台で売られていましたが、2013年から2014年ごろにかけて大きく中古相場が上がりました。2013年ごろから20万円台に突入し、生産終了となった現在では、30万円台になっています(執筆時点)。

↑第6世代「3570.50」

 

このように、スピードマスターは中古相場がかなり上昇しています。これは、価格が上昇しても「欲しい」という人が多い状況を表しており、やはり、「スピードマスターは評価が上がっている」と言える状況です。

 

少し誤解のないように補足させていただきます。“価格の上昇”が起こると、購入しようとする人は「高くなってしまった!」と悲観することがあります。しかし、「評価が上がる」ということは、同時に“買取価格の上昇”も起こりますので、決して損をするわけではないのです。むしろ、多くの方が喜ぶ状況になるだけです。なぜなら、既に所有する方は、自分の所有物の価値の上昇を喜び、これから購入する方は、価値のある注目度の高いものを手にするわけですから。“価値が落ちる”よりは、ずっと良い状況です。

 

 

 

 

 

 

■スピードマスターは評価が上がる要素をもっていた!

 

ここからが本題です。「なぜスピードマスターの評価が上がったのか」を、私なりの見解で解説します。

 

まず前提として、そもそもスピードマスターは高い評価を得る素質をもっていたのです。言い方を変えると、スピードマスターは“高評価しやすい要素”持っていたことがポイントになっています。その要素とは以下です。

 

 

 

<スピードマスターのもつ“高評価しやすい要素”>

 

1.同じモデルを作り続けている

 

2.情報が揃っている

 

3.コレクター向けの商品展開である

 

 

 

上で挙げた3つの要素は説明が必要です。下で、解説します。

 

 

 

1.同じモデルを作り続けている

 

まず、スピードマスターは“同じモデルを作り続けている”ことが、高い評価を与えやすい要素になっています。なぜなら、同じモデルを作り続けると、そのモデルの知名度が高くなるからです。

 

例えば、ロレックスも同じモデルを作り続けることによって、モデルの知名度を高めています。1940年代から続くデイトジャスト、1950年代から続くサブマリーナやエクスプローラーなどが好例でしょう。

 

スピードマスターも、1957年に誕生しています。そして、今でもその後継機種を継続して作り続けています。つまり、もう60年以上もスピードマスターを作っているのです。もちろんマイナーチェンジやスペックアップは行っていますが、基本となるデザインは引継ぎながら作り続けています。今でもプラスチック風防を採用していることからも、オメガのスピードマスターのデザインを大きく変更しない意図を感じます。

 

実は時計業界では、同じモデルを作り続けることは珍しいことです。現在の時計業界の人気モデルを思い浮かべても、その人気モデルのほとんどは、“1990年代以降に登場したモデル”か“以前のシリーズを復活させたモデル”です。継続してずっと続いているスピードマスターやロレックスは、稀有な例なのです。

↑スピードマスターは1957年より続く

(画像は初代モデルのレプリカモデル)

 

 

 

2.情報が揃っている

 

そして、“情報が揃っている”ことも、高評価につながりやすい要素です。例えば、あるモデルの古そうな個体があった場合、もし情報がなければ、単に「そのモデルの古い個体」という評価になります。しかし、情報があれば、「○○年ごろに製造された○○世代のモデルで、製造数は○○個ほどの希少な個体」のような判断ができるかもしれません。つまり、「古くなると価値が落ちる」という状況が一般的ですが、もし情報があれば、「“過去モデルの仕様”や“過去モデルの背景”に評価を与えることができる」という状況になるのです。

 

ロレックスも多くの情報が揃っていることで有名です。型式番号でモデルの世代が特定でき、シリアル番号でおおよその製造年が特定できます。さらに、各パーツの製造元や保証書の仕様まで話題になるレベルです。ロレックスは、そのような細かな点まで把握されることにより、時計のプロや愛好家に支持されているのです。

 

そして、スピードマスターも同じ状況にあります。スピードマスター愛好家によって作られたWEBサイト、スピードマスターの専用書、そしてオメガ専用オークション“オメガマニア”関連の情報など、多くのマニアックな情報が揃っています。現に、スピードマスターは1957年の誕生以来、「第○世代」という把握がしっかりとされいるだけでなく、文字盤のロゴ、ブレスレットの種類、夜光塗料の種類などでより細かな区分けがされています。

↑文字盤のロゴなどでも細かな区分けがある

(画像は、通称「下がりR」)

 

 

 

3.コレクター向けの商品展開である

 

また、スピードマスターは“コレクター向けの商品展開である”点も、評価されやすい要素です。先に書いたように、スピードマスターは情報が揃っている状況があります。その状況を上手に生かすべく、オメガはスピードマスターの“コレクター向けアイテム”を定期的にリリースするのです。スピードマスターに、多くの限定モデルやコラボレーションモデルがある事実が、それを物語っています。

 

様々な“コレクター向けアイテム”の中でも、1998年の“スピードマスターミッションズ”が最も顕著なものではないでしょうか。それは、宇宙服の素材で作った入れ物に、23種類のスピードマスターを収めた限定セットです。まさに、コレクターを意識したアイテムです。時計以外のアイテムにも言えることですが、コレクターの蒐集対象のアイテムになることは、価値を上昇させる大きな要素になります。スピードマスターは、見事に蒐集対象となっているのです。

↑スピードマスターミッションズ

 

 

 

 

 

 

■スピードマスターの評価が急に上がったきっかけは?

 

ここまでで書いたように、スピードマスターはそもそも“高い評価を得やすい素質”をもっていました。その状況が前提にあり、あるきっかけが起こることでスピードマスターの評価が上がったのです。

 

そのきっかけとは、「ロレックスの価格の高騰」です。

 

実は、時計市場にも“売れ筋の価格帯”というものがあります。私の個人的な感覚では、高級時計の中古品であれば、「大卒初任給の2~3ヶ月分ぐらいまでの価格帯」が売れ筋の価格帯に感じます。そして、ロレックスの人気モデルはもともと“売れ筋の価格帯”に入っていましたが、価格が高騰し、そこからはみ出し始めたのです。

 

このような状況になると、多くの人が“売れ筋の価格帯”の次の主力アイテムを探し始めます。そこでターゲットになったのが、スピードマスターです。オメガはロレックスに次ぐ知名度を持つメーカーであり、さらに、スピードマスターは先に述べたような“高評価しやすい要素”をもっています。ロレックスの人気モデルの後釜に据える次のターゲットとしては、まさにうってつけです。

 

実際に、ロレックスの中古相場が上がった時期と、スピードマスターの中古相場が上がった時期の関係性を見てみました。サンプルとして、ロレックスの「サブマリーナデイト16610」とオメガの「スピードマスター3570.50」を見ましたが、どちらも2013年ぐらいから相場が上がり初めています。そして、サブマリーナは2014年ごろから、スピードマスターは2015~2016年ごろから、もうワンランク上の高騰を見せます。また、スピードマスターのコレクションピースに関しては、2016年以降の高騰が激しくなっています。

 

つまり、私なりの観測としては、2013年ごろから相場の変動が顕著になり、ロレックスが先んじて大きな高騰をして、その後、スピードマスターなどの“次の人気モデル”が高騰をしていく状況を把握することができました。

やはり、ロレックスの価格の高騰が、時計業界全体に影響を与え、結果としてスピードマスターの評価の向上につながったと感じます。

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

ここまでが、「スピードマスターの評価が上がった理由」についての私の考えです。現在では、ロレックス高騰の影響がスピードマスター以外のモデルにもでており、いくつかのモデルはかなり評価を上げた状況です。その好例が、チュードル(チューダー)の「クロノタイム」ではないでしょうか。このモデルは、驚くほど評価が上がった印象です。

↑クロノタイム79170

 

皆さんも、是非、今後の時計業界の展開を見ていてください。まだまだ、いろいろな動きがあるかもしれません!

 

 

 

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