高級腕時計の時計通信

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22.12.2021

【時計業界を知る】ジェラルド・ジェンタ作品の人気が上昇中

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

■【時計業界を知る】ジェラルド・ジェンタ作品の人気が上昇中

 

今回は、時計業界の今の状況をお伝えしようと思います。

 

それは、

 

現在、ジェラルド・ジェンタ作品の人気が上昇中

 

という点です。

 

以前の投稿

現在、注目される人気デザイン「ジェンタ系」とは? ~ロイヤルオークに影響を受ける時計~

 

にて、ジェンタ作品の代表作「ロイヤルオーク」「ノーチラス」に影響を受けるモデルが注目を集めている点は紹介しました。しかし今は、その状況からさらに進んで、ロイヤルオークやノーチラス以外のジェンタ作品にも注目が集まっています

 

その状況は、相場価格にも表れています。

 

例えば、

 

ジェラルド・ジェンタ「レトロファンタジー」

 

IWC「インヂュニア」

などは、相場価格が上昇していると感じます。

 

しかし、まだまだ、ジェンタ作品でも相場価格の上昇が起こっていないモデルもたくさんあります。そこから想像できることは、おそらく、「今はまだ、ジェンタ作品に人気が集まる過渡期」ということです。例えば、ジェンタ作品の人気作でいうと、ロイヤルオークやノーチラスは“横綱”クラスの存在で、上のレトロファンタジーやインヂュニアは“大関”クラスという感じなのでしょう。つまり、今は、「横綱クラス→大関クラス」にまで人気が波及した状況なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

■ジェンタ作品への評価はさらに広がるのか

 

あくまで私の予想ですが、今後は、ジェンタ作品の“関脇”クラスや“小結”クラスにまで、人気の波が来るかもしれません。

 

例えば、下のジェンタ作品、などは、今よりも評価が上昇する可能性を秘めています。

 

ジェラルドジェンタ「オクト」

 

ブルガリ「オクト」

 

ブルガリ「ブルガリブルガリ33㎜(初期)」

 

オメガ「コンステレーションCライン」

 

オメガ「シーマスターポラリス」

 

IWC「ヨットクラブ」「ポロクラブ」「ゴルフクラブ」

↑ヨットクラブ

↑ゴルフクラブ

 

ジェラルド・チャールズ「トゥルボ」

 

セイコー「クレドール ロコモティブ」

(画像なし)

 

 

 

上に挙げた時計は、ジェンタ氏の作品で、今の消費者の価値観で評価しやすそうなモデルです。ただし、同じジェンタ作品でも、その“再評価”には差がでると思います。その“差”を考えるために、もう少し「ジェンタ作品」を掘り下げて、見てみましょう。例えば、「ジェンタ作品」というワードも、厳密に認識すると、2つに分かれます。

 

 

 

<ジェンタ作品>

 

①ジェンタ氏が直接デザインにかかわった作品

 

②ジェンタ氏のデザインした作品の後継モデル

 

 

 

この2つのうち、より評価が上がりやすいのは、①の「ジェンタ氏が直接デザインにかかわった作品」です。なぜなら、「ジェンタ氏の才能に触れる」という観点では、こちらの方が目的に合っているからです。

 

例えば、IWCの「インヂュニア」は、直接的にジェンタ氏が関わったのは「インヂュニアSL(初代)」ですので、この作品が①の「直接デザインにかかわった作品」になります。そして、それ以降の「インヂュニア」は、②の「後継モデル」ということになります。これらの現在の評価は、“直接デザインにかかわった”初代インヂュニアSLの方が高く、やはり、評価は「直接デザインにかかわった作品」の方がされやすいのでしょう。

 

 

 

<ジェンタ作品の評価>

“直接デザインにかかわった作品” > “後継モデル”

 

 

しかし、②の後継モデルの評価を侮ることもできません。なぜなら、ジェンタ作品の評価の発端は、“ロイヤルオークとノーチラスへの再評価”から発生しており、ジェンタデザイン自体が「ラグスポ」の名の元に評価を高めています。そのため、ジェンタ氏のテイストをもつ後継モデルも巻き込んで、シリーズごと評価が底上げされています。そのため、後継モデルであっても、その底上げにより相場価格が上昇しています。また、消費者も「今の感覚で使える時計」を求めますので、ジェンタ作品でも、今の時代にマッチするかで評価は分かれるでしょう。

↑後継モデルもプレミア価格になり始める
※インヂュニアIW3239

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

今の時計業界は、加工マシーンの発達により、大きなコストをかけずとも、複雑な形状の時計を作れるようになりました。そうなると、トップメーカーでなくても、魅力的な時計がつくれるようになり、“高級時計の価値”の表現方法が変わってきています

 

例えば、昔なら、技術のあるトップメーカーは「緻密な作りの時計」、エントリーメーカーやミドルメーカーは「それなりの作りの時計」を作るイメージでした。しかし、今はエントリーメーカーやミドルメーカーもある程度の「緻密な作りの時計」を作れるようになり、トップメーカーは別のベクトルで、例えば「歴史」や「過去のアーカイブ」で、違いを打ち出す状況になっています。

 

つまり、今はプロダクトを越えた「背景」に目が向けられているトレンドがあるのです。その「背景」のひとつとして注目されるのが、

 

「作者の顔が見える」

 

という点です。

 

例えばその作者とは、“独立時計師”、“時計デザイナー”、“時計プロデューサー”、“彫金師”、“仕上げ師”などを指します。その中で、ジェンタ作品は、「時計界のピカソ」と評価される時計デザイナー、ジェラルド・チャールズ・ジェンタ氏の存在を感じることができるので、注目されているのです。是非、皆さんも、ジェンタ作品の今後に注目していてください!

↑ジェンタ作品に注目しましょう

 

 

 

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