プロが教えるバーキンの選び方(サイズ・素材・カラー別)
■INDEX
・エルメス バーキンの特徴
・バーキンのサイズ選びは、利用シーンを参考に
・素材・カラーで選ぶエルメスのバーキン
・素材・サイズごとの定価
・新作 “外縫いのバーキン” について
・製造年が古いバーキンをオススメする理由
・バーキンは”なぜ中古品でも高いのか”
・最後に
■ エルメス バーキンの特徴
運命のバッグ、バーキンの誕生
1984年、女優ジェーン・バーキンが飛行機に乗った際に、荷物を床に落としてしまいました。
それを見た隣の席の紳士が、ジェーン・バーキンに「ポケット付きの鞄を持った方が良い」と提案し、自身が経営する会社で作成したバッグをプレゼントしました。
その紳士の名前は、ジャン=ルイ・デュマ=エルメス。当時のエルメス社の社長だった人物です。
その日・その時間に2人が隣の席同士でなかったら、もしかしたらバーキンは誕生していなかったかもしれません。
バーキンの魅力
バーキンの魅力は、「不変的なシンボリックな存在」であること。
また、「バーキンを手にすること自体困難」であることだと思います。
バーキンは35年前の誕生以来、外見上のデザイン変更はされていません。
ハンドバッグとしての完成度もさることながら、バーキンとしての価値を不変的なものにする。という信念のようなものが伺えます。
また店頭で販売している可能性は極めて“まれ”です。
限られた職人の手によって製造されるアイテムは生産数が限られます。
そのため、いつでも・だれでも購入するということができません。
つまり、限られた生産数であること、それによって購入できる販路が限られていることが、
より一層バーキンの希少性を高めているといえます。
バーキンとケリーとの違い
バーキンとケリーとの違いは大きく3つあります。
① バーキンは、蓋を開けたまま持つことができるが、ケリーは蓋を必ず締める必要がある。
② バーキンはストラップが付いていないが、ケリーは付いている。
③ バーキンはハンドルが2つ。ケリーは1つ。
①~③の違いをまとめるのであれば、バーキンはカジュアルに使用できる想定で製造されている事に対しケリーは、フォーマルな構造のバッグと考えられます。
■ バーキンのサイズ選びは、利用シーンを参考に
女性の永遠のあこがれ「バーキン」。
一生モノの買い物だから、失敗はしたくない!という方が殆どだと思います。
入れたい私物が入らないかも、私の身長に似合うかしら?など
悩みの内容も様々あると思いますが、まず大事なことが「どんな時に、どうやって使うか」です。
そこで、サイズごとに特徴と使用シーンを想定してみました。
サイズをまとめると下記の通りとなります。
25センチ 荷物が少ないディナーなど
横25cm × 縦21cm × マチ(幅)13cm
小ぶりでかわいらしいサイズ感です。
時計でもそうですが、バッグも小さいサイズの方が、上品で洗練されたイメージで持てます。
ただし、持ち手周りは短く、腕に通すことも困難な点は注意が必要です。
<使用シーン>
レストランでのディナーや食事会など、荷物が少ないときに使うことをオススメします。
お出かけの時は、なるべく荷物が少ないときを選んでください。
無理に詰め込んでも、見た目もどこかカジュアルな感じになってしまい、バッグ自体の形も崩れてしまうかもしれません。
上品なデザインだからこそ、サブバッグはもたず、スマートに持ちたいですよね。
30センチ オンオフ兼用の万能サイズ
横30cm × 縦22cm × マチ(幅)16cm
サイズ感としては、中間サイズにあたります。
カジュアル過ぎず、上品になりすぎず、幅広いシーンで使うことができます。
サイズで迷われる方は、まず30㎝を基準にして選ぶことをオススメします。
<使用シーン>
普段のお出かけから、パーティーシーンなどにも使える万能サイズ。
ファッションコーディネイトも幅広いジャンルに合うため、「せっかく買ったんだからたくさん使いたい!」という方にオススメです。
35センチ ビジネスカジュアルにおすすめ
横35cm × 縦27cm × マチ(幅)18cm
大きいサイズのバーキンをもつことで感じるイメージは「小慣れ感」。
高級なバッグをあえてラフに使うことで、その人に対するステータスはきっと強まるはず。
ワンピースやドレスに合わせても、サイズが大きく主張し過ぎてしまう為、無地のシャツにパンツなど、シンプルなコーディネイトがオススメです。
<使用シーン>
ビジネス、カジュアルがオススメ。
相反するシーンにも適用でる風格は、やはりバーキンが持つ魅力ではないでしょうか。
ただし、大き目のバッグだと、思わぬところにぶつかって傷ついてしまう、など高級バッグならではの危険も。
個人的には、「どうせ傷つくなら」と、いっそ割り切って使用感のある中古品を選ぶことをオススメします。
中古品なら購入価格も抑えれる為、使った後に汚しても後悔は少ないはず。
40センチ以上 パートナーとのシェアバッグに
横40cm × 縦29cm × マチ(幅)21cm
40㎝以上は、使用される革の面積も多く、希少性の高いサイズになっており、新品・中古品でも流通量は非常に少ないです。
バーキンならではの収納力を発揮するのであれば、大き目のサイズですがこのサイズになってくると、
どの素材であっても女性で感じることは「ちょっと重いかも・・・・」ではないでしょうか。
日常で持ち歩くにはちょっと難しいと感じられるなら、いっそパートナーと「シェアバッグ」として検討しても良いかもしれません。
女性の普段使いには難しくても、男性には大人気の40㎝以上のバーキン。
カラーはキャメルゴールドや、ブラック、グレーなどユニセックスでも使えるカラーで検討してみてはいかがでしょう。
■ 素材・カラーで選ぶエルメスのバーキン
素材で選ぶエルメスのバーキン
・ トゴ、トリヨン、エプソンなどの型押し素材
普段使いから会食まで、デイリーなシーンに使える型押し素材。 少し崩したカジュアルファッションにも合わせることができます。
▼ トゴ
▼ トリヨン
▼ エプソン
・ スイフト、ボックスカーフなどの型押しされていないスムースレザー
高級感のあるスムースレザーですが、その分、傷は目立ちやすいデリケートな素材。 ワンピースなど、スラっとしたキレイ目ファッションにピッタリです。 お食事会など、フォーマルなシーンにオススメです。
▼ スイフト
▼ ボックスカーフ
カラーで選ぶエルメスのバーキン
・ ブラック、エトープ、ゴールド
ベーシックカラー 使いやすいベーシックカラーですが、トーンは少し落ち着いた印象。 フォーマルなシーンでも使うことができる万能カラーです。
▼ ブラック
▼ エトープ
▼ ゴールド
・ ローズアザレ、ブルーアンクル
ベーシックカラーよりも、ピンク系カラーとブルー系カラー個性的なカラーほど明るく可愛らしいイメージになります。 友人とのお食事会や、ショッピングやお出かけなどのデイリーシーンに オススメです。
▼ ローズアザレ
▼ブルーアンクル
もし、幅広いシーンを想定するなら、トーンを落ち着かせた色を選んでみても いいかもしれません。
・ローズサクラ、クレ
淡いカラーは親和性が高く、落ち着いたダークカラーに合わせてもアクセントになり、オールシーズンでコーディネイトできるカラーです。
▼ ローズアザレ
▼ クレ
■ 素材・サイズごとの定価
サイズと素材別で国内定価を表にすると以下のような表になります
※国内定価は2021年3月現在のおおよその流通価格になります。
トゴ・トリヨン | エプソン | スイフト | |
25センチ | ¥1,160,000 | ¥1,140,000 | ¥1,190,000 |
30センチ | ¥1,320,000 | ¥1,310,000 | ¥1,350,000 |
35センチ | ¥1,440,000 | ¥1,420,000 | ¥1,500,000 |
40センチ | ¥1,580,000 | – | – |
■ 新作 “外縫いのバーキン” について
バーキンの外縫いが発売されていることをご存知でしょうか。
D刻印(2019年)から新作である”外縫い”のバーキンが発売さているようです。
▼左:内縫い 右:外縫い
内縫いと外縫いの印象としては、大きくは見た目とサイズ感の2点が変わってくるのではないでしょうか。
見た目は、内縫いだとカジュアルな印象に、外縫いだとフォーマルな印象を受けます。
サイズ感は、内縫いだと少し小さく見えますが、外縫いだと若干大きく見えます。
確認できる限りでは、2020年1月時点で過去に外縫いのバーキンについて発売されたことはないのではないかと思われます。
バーキンの外縫いについて、もっと詳しく知りたい方はこちら>>
■ 製造年が古いバーキンをオススメする理由
エルメスの革製品のほとんどは製造された年数が判別できると言われています。その為、”今からどれくらい前に製造されたか”については、販売・買取を行う店舗であれば、おおよその判別が可能です。
一部のアンティーク品等を除いて中古品は、”年式が新しいほど価格が高い”ケースがほとんどです。
ここからは個人的な意見になりますが、”製造年数は新しいが使用感のある中古品”より、”製造年数は経過しているがキレイな中古品”をオススメします。
なぜなら、バーキンの製造年数は外見上では判別が非常に困難です。細部まで見ない限り判別することは不可能に近いと思います。
また、製造年数が経過したバーキンほど中古価格は安くなる傾向があります。
バーキンを賢く購入する手段の1つとして、ぜひ参考にしてみて下さい。
■ バーキンは”なぜ中古品でも高いのか”
「バーキンは欲しいけど、中古品でも安くないわね」と思われる方は多いと思います。実際にそういったお客様の声をよく聞きます。そのような疑問への回答として、先ほどの国内定価とは別の考え方(中古品)で価格について触れたいみたいと思います。
なぜ、バーキンの中古価格は高いのでしょうか。その理由は、以下の2つにあると考えています。
①希少性
②人気の高さと買取相場の関係
では、その理由をもう少し詳しく説明します。
希少性
私はブティックに行くことがありますが、ここ10年程でバーキンが陳列されているところを見たことは一度もありません。(絶対に陳列されないということではなく、単純にめぐりあわせが無いだけかもしれません・・・)
それほどまでに、バーキンをブティックで見かけることは稀なケースだと思います。
その為、ブティックで国内定価で購入できることは非常に困難だと考えられます。
ここからは、推測のお話になりますが、「エルメス製品は大量生産をするブランドではない」といえます。
それは、”希少な革を使用していること”、”高い品質レベルを保つこと”、”限られた職人の手作りによって製造されていること”などが関係しているのではないでしょうか。
また、エルメスは世界中に店舗を構えています。希少なアイテムを、世界中のブティックで取り扱うことになる為、日本国内の希少性が増すのではないでしょうか。
人気の高さと買取相場の関係
バーキンは希少性に加え、数多くの女性から非常に人気の高いアイテムといえます。
そして、買取相場は市場の人気にも比例します。つまり「人気や需要の高いアイテムは、他のアイテムと比較したとき、買取価格が高い」ということになります。
バーキンを含む一部の人気アイテムは、新品同様のコンディションの場合、国内定価に近い、もしくはそれ以上の価格で買取がされているケースも珍しくありません。
■ 最後に
バーキンについて、いかがでしたでしょうか。
サイズ・素材・カラーだけでなく、最新のバーキンの仕様や中古価格についても触れてみました。
最初にも記載した通り、まずは「どんな時に、どうやって」使うかを考えてみれば
サイズもカラーも、自分に合ったバーキンのイメージがはっきりしてくるはず。
最後に、試しにお店に行って持ってみる、ことも実践してみて下さい!