高級腕時計の時計通信

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12.8.2020

【オーデマピゲのウンチク話】なぜロイヤルオークオフショアの日付表示は“文字盤の奥深く”にあるのか?

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

■【オーデマピゲのウンチク話】なぜロイヤルオークオフショアの日付表示は“文字盤の奥深く”にあるのか?

 

オーデマピゲの「ロイヤルオークオフショア」のクロノグラフモデルを見た人は、

 

「日付表示の文字が、かなり“文字盤の奥深く”にあるね!」

 

という感想をもつことがあります。

 

これは、下の比較画像を見ていただくと、すぐに分かると思います。

↑左の方が日付プレートの場所が深い

(左:ロイヤルオークオフショア、右:シーマスター)

 

の画像ですが、これは、“一般的な日付表示”として、「オメガのシーマスターの日付表示」の画像を用意しました。この日付表示の部分をよく見ると、黒い“文字盤”から一段下がった場所に、数字を書いた黒い“日付プレート”があるのがわかります。

 

つまり、一般的な日付表示は、

 

 

・上層=文字盤

 

・下層=日付プレート

 

 

で、2層です。

 

次に、の「ロイヤルオークオフショアの日付表示」の画像を見てください。よく見ると、タペストリー模様のあるグレー色の“文字盤”から一段下がった場所に、黒い“日付枠となるプレート”があります。そして、そのプレートの枠からさらに一段下がった場所に、数字を書いた白い“日付プレート”があります。

 

つまり、ロイヤルオークオフショアの日付表示は、

 

 

・上層=文字盤

 

・中層=日付枠となるプレート

 

・下層=日付プレート

 

 

となっており、3層になっています。

 

これを見ると、ロイヤルオークオフショアの日付表示が、「文字盤の奥深くにある」と言われることも、納得できるでしょう。

 

今回は、この日付のトピックを掘り下げて、

 

なぜロイヤルオークオフショアの日付表示は“文字盤の奥深く”にあるのか?」

 

という点を説明いたします。

 

 

 

 

 

 

■ロイヤルオークオフショアについて

 

まずは、前提知識として、ロイヤルオークオフショアについて説明しておきます。

 

ロイヤルオークオフショアは、“ロイヤルオークの派生モデル”として、1993年に発表されます。特徴は、ロイヤルオークをよりマッシブにし、スポーティテイストを加えたことにあります。ケースの直径は42mmもあり、当時としては、かなり大きなサイズの時計でした。

↑ロイヤルオークオフショア

 

ロイヤルオークオフショアは、「トリプルカレンダー」モデルや「ダイバーズ」モデルもありますが、メインは「クロノグラフ」モデルです。今回、話題の対象にしているモデルは、ロイヤルオークオフショアの中でも「クロノグラフ」モデルですので、この点は押えておいてください。

 

 

 

 

 

 

■ロイヤルオークオフショアの日付表示が、“文字盤の奥深く”にある理由

 

ここからが本題です。

 

「ロイヤルオークオフショアは、なぜ日付表示が“文字盤の奥深く”にあるか」

 

を説明します。

 

この疑問の結論を先に言うと、このモデルが“モジュール式クロノグラフ”だからです。

 

おそらく、今、皆さんの頭の中で、

 

「モジュール式って?」

 

となっていると思いますので、説明します。

モジュール(Module)は、「交換可能な構成要素」という意味で、時計用語としては、「ムーブメントの“追加機能”部分」というニュアンスで使います。

 

ちょっと難しい話なので、分かりやすく説明します。

 

一般のシンプルな時計は、時刻や日付を示す機構のみですので、ムーブメントは“基本機構(基本輪列)部”のみで十分です。しかし、“別の機能”を付加したい場合は、基本機構部に“別の機能”を追加する必要があります。例えば、クロノグラフ機能が追加したい場合は、“クロノグラフ機構部”を基本機構に追加しなければなりません。

 

“別の機能”を追加したい場合には、2つの方法があります。ひとつは「ビルトイン」です。これは、「一体型」とも言われますが、基本機構部の中に“別の機能”を入れ込む方法です。ただし、この方法は、基本機構自体をいじらないといけないので、かなり大掛かりなことになります。

 

そこで、もうひとつの方法「モジュール式」が登場します。これは、基本機構部の外に“別の機能”置く方法です。具体的には、基本機構部の上に重ねる形で、“別の機能”の機構部が置かれます。この「“別の機能”の機構部」を“モジュール”と言っています

 

実はよく、モジュール式のムーブメントは、「二階建て」と表現されます。これは、“基本機構部”が一階(裏蓋側)にあり、“モジュール部”が二階(文字盤側)にあるからです。実際に、ロイヤルオークオフショア(シースルーバック仕様)のムーブメントを裏から見ると、一階部分を見ることになりますので、“基本機構部”であるベースムーブメントが見えます。

例えば、上の画像は、クロノグラフである「ロイヤルオークオフショア」と、シンプルな3針モデル「ロイヤルオーク」の裏蓋画像ですが、「裏から見ると同じ」であることがわかります。これは、ロイヤルオークオフショアが“モジュール式クロノグラフ”だからです。つまり、ロイヤルオークオフショアの裏蓋側から見えているのはベースムーブメントなので、シンプルな3針モデルと同じムーブメントが見えることになるのです。

 

ここまでの内容を理解できると、あとは簡単な理解で済みます。おさらいすると、ロイヤルオークオフショアは、「“モジュール式クロノグラフ”だから」、日付表示が文字盤の奥深くにあるという話でした。これは、

 

「日付表示の機構が、一階である“基本機構部”にあるから」

 

です。

つまり、モジュール式クロノグラフにおいて、文字盤側は“二階”です。そのため、“一階”にある日付表示は「かなり奥深く」に見えるのです。

 

これが、ロイヤルオークオフショアの日付表示が“文字盤の奥深く”に見える理由です。

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

今回は、ロイヤルオークオフショアの日付表示が“文字盤の奥深く”にある理由を説明しました。

 

実は、私が、このことを説明しようと思った動機があります。それは、私に、「皆さんに時計のことを、より深く知ってもらいたい」という想いがあり、「モジュール式」のことを説明したかったからです。しかし、いきなりモジュール式のことを説明しても、意味不明なものになると思いましたので、ロイヤルオークオフショアをきっかけにさせていただきました。

 

実際に、モジュール式クロノグラフであることを知ってからロイヤルオークオフショアを見ると、納得できることもあります。例えば、ロイヤルオークオフショアの日付部分には、拡大レンズが使われています。これは、奥深くに設置されてしまう日付をなんとか見やすいように、オーデマピゲが工夫しているのだと思います。このような、ちょっとしたポイントも、「モジュール式」を知ることで見えてきます。

 

高級時計は趣味性の高さに魅力があります。その趣味的な好奇心を刺激できるように、このような“ちょっとした知識”を、今後も伝えていきたいと思います!

 

 

 

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