高級腕時計の時計通信

RSS

4.8.2017

ロレックス|「デイトナビーチ」とはいったい何だったのか?

Komehyo

ブログ担当者:後藤

 

ロレックスの花形モデルである「デイトナ」。2016年には最新モデル116500LNが登場し、注目度は益々高まっています。

 

いつも話題に上がるデイトナですが、過去を見返すと面白いモデルがあります。

 

それは、「デイトナビーチ」です。

↑デイトナビーチ

 

デイトナビーチは、ピンク、イエロー、グリーン、ブルーのカラーを採用する、ポップなデイトナです。発売から短い期間で生産終了になっておりレアな存在ですが、時折、中古市場に登場します。今回は、「この異彩を放つ“デイトナビーチ”というモデルはいったい何だったのか」を振り返ってみます。

 

 

 

 

 

 

■デイトナビーチとは?

 

まずは、デイトナビーチについておさらいです。前述の通り、デイトナビーチはピンク、イエロー、グリーン、ブルーの4種類のテーマカラーで構成されたインパクトのあるモデルで、2000年に発表されました。文字盤はもちろんですがストラップ部分もテーマカラーと同色のリザードベルトを採用しています。

↑ストラップにもテーマカラー採用

 

ブラックやホワイト文字盤などの通常のデイトナとは雰囲気が全く異なり、個性色のあるデイトナビーチは、遊び心をもったリゾート感溢れるモデルだと感じます。また、ケース素材には18金ホワイトゴールドを採用しており、テーマカラーを邪魔することなく、かつ高級感を醸し出します。

 

ここからは、各モデルについて紹介しましょう。

 

 

①ピンク:116519NR

基本的にサイズは通常のモデルと同様の40mmサイズのデイトナですが、こちらのピンクカラーのモデルは全体的にレディースウォッチかのような雰囲気があります。文字盤にはピンクシェル(貝)が使用されています。男性時計のイメージが強いデイトナからしてみるとかなり異色な存在です。

 

 

②イエロー:116519NR

イエローカラーモデルもピンク同様に、文字盤にはイエローシェルが使用されています。一般的なシェル文字盤の色味であるホワイトシェルや、ときどき登場するブラックシェルと比べても、より稀少な色味です。ストラップのイエローとも合わさることで独特なインパクトを感じます。

 

 

③グリーン:116519

鮮やかなグリーンが目を引くこちらは、文字盤にクリソプレイズ(緑玉髄)とよばれる天然石を使用しています。蝋(ろう)のような独特の艶感をもっており、透明感の奥に色を感じるイメージです。ロレックスのコーポレートカラーはグリーンですので、特別感があります。

 

 

④ブルー:116519

そして、ブルーは“ビーチ”の名前の通り、青い海を連想させる爽やかな一本です。文字盤にターコイズ(トルコ石)を使用する事で、時計業界全体を見てもあまり見かけることのない個性的な色味に仕上がっています。

 

 

実はデイトナビーチは時計本体だけではなく、付属品からも特別感を味わうことができます。各イメージカラーに合わせた専用の箱やパスケースが付属するのです。こういった特別感を感じられるという点がマニア達の心をぐっと掴んで離さない一つの理由なのかもしれません。

↑デイトナビーチの専用付属品

 

 

 

 

 

 

■デイトナビーチはどういう存在だったのか?

 

ここからが本題です。つまり、「デイトナビーチとは何だったのか?」という点です。私が注目するポイントは、発表年が“2000年”であることです。

 

そもそも“2000年”は、デイトナが16520から116520にバージョンアップした年です。116520は、ロレックス初の完全自社製造のクロノグラフムーブメントCal4130を搭載したデイトナです。それまで、ムーブメントも自社製造するロレックスにおいて、クロノグラフだけは他社製ムーブメントに頼っていました。つまり、念願の“自社製クロノグラフムーブメント”が完成し、発表した年が2000年なのです

↑“自社製ムーブメント”デイトナ116520

 

そして何より2000年は「ミレニアムイヤー」です。オメガやパテックフィリップなど、業界の大手メーカーもミレニアムを祝うモデルを発表しており、いくつかのメーカーは、この節目の年に「何かやってやろう」と意気込みをもっていました

↑オメガとパテックフィリップの2000年記念モデル

 

 

おそらく、ロレックスもミレニアムイヤーに賭ける意気込みは同じだったのでしょう。

きっと、ロレックスは2000年に、

 

「“自社製クロノグラフムーブメント”を搭載したデイトナを発表する」

「ミレニアムイヤーは、ロレックスが新デイトナを武器に一番目立つ」

 

と考えていたのではないでしょうか。

 

 

つまり、ミレニアムイヤーという晴れ舞台でロレックスは存在感を示したかったのです。そして、そのための武器としての“第一の矢”が「新型の“自社ムーブメント”搭載デイトナ」で、“第二の矢”が「デイトナビーチ」だったのではないでしょうか。

 

二つのインパクトを業界に与えることによって、ロレックスは2000年というミレニアムイヤーを、“デイトナイヤー”にしたかったのです!私はそのように考えています。

 

 

 

※おすすめ投稿記事

【考察】ロレックスの認定中古が始まることによる影響とは?

 

オンラインストアでデイトナを探す

TAGLIST

more close

BRAND

 

OTHER

RANKING

ARCHIVE