高級腕時計の時計通信

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1.1.2016

ハリウッドスターの寵愛を受け躍進した時計メーカーとは? ~シルベスタ・スタローンとパネライ~

Komehyo

ブログ担当者:福冨

 

 

明けましておめでとうございます。私どものブログ「トケイ通信 by KOMEHYO」をいつもご覧くださり、まことにありがとうございます。昨年から始めたこのブログも、今年で2年目に突入します。まだまだ未熟な文章も多いかと思いますが、僭越ながら時計への情熱には自信をもっております。今年も意気昂然と執筆して参りますので、よろしくお願いいたします。

 

さて、今年初回はある有名人とオフィチーネ・パネライ(以下「パネライ」)との関係性についてです。ここまで言うと、もうピンとくる方も多いのではないでしょうか?そう、ある有名人とはハリウッド俳優のシルベスタ・スタローン氏です。

 

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↑シルベスタ・スタローン氏とパネライの関係とは?

 

 

 

 

 

◆シルベスタ・スタローン氏はどんな人?

「シルベスタ・スタローン」とはどんな人物でしょうか?昭和に生まれた世代の方にとっては言わずと知れた人物なはずです。そう、筋骨隆々でアクション映画の第一人者でもあるハリウッドスターです。スタローン氏の作品というと、まず「ロッキー」シリーズ、「ランボー」シリーズが思いつくのではないでしょうか。「ロッキー」は第49回アカデミー賞作品賞を受賞した作品で、それに続くヒット作が「ランボー」です。スタローン氏は私たちが筋骨隆々な人を想像するときに真っ先に名前が浮かびそうな人物ですが、実はかつては内向的でいじめられっ子だったそうです。彼は1946年にニューヨークのマンハッタンに生まれます。父親は美容師で、母親は元ダンサーの占星術師だったようです。ここで注目するポイントは、父親がイタリア系アメリカ人だったという点です。パネライがイタリア発祥のメーカーということを考えれば重要な要素です。しかし、その両親が離婚をしてしまいます。彼はそれを機に素行が悪くなり、ボクシングジムで体を鍛え始めたみたいです。その後、学校で演劇を学び、俳優になったという経歴を持ちます。俳優になった当初は厳しい時期が続いたようですが、転機がとあるきっかけで訪れます。彼は29歳のときに観戦したボクシングの試合に感銘を受け、なんと自分で脚本を書いて売り込んだのです。それが「ロッキー」でした。自分が主演しないのであればこの脚本は渡せないというスタンスで製作会社にプロモーションをかけ、結果、スタローン氏が主演することに決定します。「ロッキー」の大ヒットを受けて彼は一躍ハリウッドのスターになります。

 

 

 

 

◆世間に先駆けパネライを愛用するスタローン氏

パネライについては以前のブログ(「ラジオミール」がもつ二面性とは?)でも少し触れていますので、是非ご確認ください。そこでも書きましたが、パネライは1993年ごろから民間への時計販売を開始します。パネライはイタリア発祥のメーカーです。そして、イタリアと言えば時計愛好家が多い国です。イタリア系でもあるスタローン氏にとって、パネライは愛着が湧きやすいのではないでしょうか。一説によるとスタローン氏がパネライを知ったのは1995年と言われています。その年といえば、彼の作品にすると「暗殺者」や「ジャッジ・ドレッド」の時期です。もちろん彼は既にハリウッドスターとしての地位を確立していて油が乗っている時期です。彼の立場であればパネライにビッグディールを持ちかけることは容易でした。そして、彼はパネライに時計をオーダーします。映画「デイライト」の際に本人が着ける時計だけでなく、関係者に配る時計や映画完成記念の時計もオーダーしたそうです。時計愛好家からは「プレヴァンドーム※1」と呼ばれる時期のパネライですので、今では大変なレアなモデルです。

 

 

 

 

◆スタローン氏の愛称から命名された「スライテック」

パネライには「スライテック」というモデルがあります。実はこの「スライテック」とはスタローン氏のニックネームである「スライ」からとった名称です。「シルベスタ・スタローン限定」とは謳わずに、「スライテック」と名前を付けたという事実からも、そこに彼とパネライの良好な関係性を感じます。先に紹介したプレヴァンドーム時代のオーダー品にも「LUMINOR SUBMERSIBLE SLY TECH PANERAI」や「LUMINOR DAYLIGHT SLY TECH PANERAI」と記載されています。そして、リシュモングループ加入後のモデルにも「スライテック」モデルがあります。それが「ルミノールサブマーシブルクロノグラフ(PAM00202、PAM00225)」です。サブマーシブルと言えば非常に堅牢・重厚な、パネライを代表するダイバーズモデルです。スタローン氏のような体格の方には非常にマッチする時計です。もちろん文字盤には「SLY TECH」と入っています。

 

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 ↑上:PAM00202 裏蓋にはサインもある
↑下:PAM00225

 

 

 

 

◆映画のタイトルと同名の「デイライト」

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↑左:PAM00196、右:PAM00188

 

先にも紹介しましたが、プレヴァンドーム時代にスタローン氏はパネライに時計を大量オーダーしました。そのきっかけは1996年の主演映画「デイライト」でした。パネライが彼に敬意を表していると感じるのは、その後も「デイライト」の名を冠したモデルを作り続けている点です。上のモデル名は2004年に登場した「ルミノールクロノグラフ デイライト」です。そして、その後もデイライトモデルの後継機種を作っています。映画と時計のコラボレーションは別の時計メーカーでもしばしばありますが、そのコラボレーションは一時のものです。デイライトのように、映画のタイトルが継続して生産されているモデルの名称として採用されるのは異例のことです。

 

 

 

 

 

◆スタローン氏が世間に与える影響は?

これまでに述べたように、スタローン氏はパネライと蜜月関係にあります。もちろん、彼の映画の中でもパネライを着用しており、それが話題に上がります。インターネット上をチェックすると、映画を観た方々から「あの映画でスタローン氏が着けているのはパネライのようだけど、どのモデルだろう?」というような書き込みがみられます。特に「ランボー」、「デイライト」、「エクスペンダブルズ」などの作品で着用した時計について、皆さんの興味が強いようです。例えば近年のシリーズである「エクスペンダブルズ」であれば、エクスペンダブルズ1(2010年)でPAM00332、エクスペンダブルズ2(2012年)で PAM00382、エクスペンダブルズ3(2014年)でPAM00389を着用していると言われています。

 

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↑エクスペンダブルズ3で着用していると言われるPAM00389

 

上で述べたようなインターネットで興味を書き込んでいる方はおそらく氷山の一角であり、実際は彼の作品を映画館やテレビで見ている方々も「主人公はパネライの時計をしている!」と話題にしているのではないでしょうか。さらにそこから掘り下げて「時計の価格は?」「限定品なの?」と時計自体に興味がでる方もいるでしょう。特にパネライは見ただけですぐにメーカーの名前が出るほど「わかりやすい形状」をしているので、興味の対象としては打ってつけです。そして、スタローン氏のような体格の方は一般の方とはマッチするファッションが違うと思います。そのような方にとっては、「シルベスタ・スタローンがかっこよく着けている時計」は大きな興味の対象になります

 

スタローン氏が世間へ及ぼす影響力はどのぐらいあるのでしょうか?影響力を測る「ものさし」として確かなものはありません。しかし、パネライの躍進という「ものさし」を使う手もあります。前述した映画「デイライト」が1996年の作品です。この時にパネライは注目を集めます。その後、パネライは1997年に現リシュモングループという大きなコングリマリットへ加入し、翌年1998年に本格的な世界展開を果たし、さらに「デカ厚ブーム」と呼ばれる時計業界の一大センセーションを巻き起こします。このような背景を踏まえると、「スタローン氏がパネライという時計を好きになった」というシンプルな事象が、ここから巻き起こるパネライブームのきっかけになったと言っても過言ではないように感じます。このような背景を考えると、パネライとスタローン氏の出会いは本当に運命的です。パネライがスタローン氏を尊敬し、スタローン氏がパネライを愛す。このような関係がこれからも続いていくのでしょう!

 

 

※1・・・パネライは1997年にヴァンドームラグジュアリーグループ(現リシュモングループ)の傘下に入ります。1993年からそれまでの時期のパネライを愛好家は「プレヴァンドーム(ヴァンドーム前という意味で)」と呼んでいます。パネライが現在ほどの生産数もなかった時期ですので、この頃のモデルは希少なコレクターズアイテムになっています。

 

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