高級腕時計の時計通信

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2.10.2015

【時計の名作を知る】プロでも悩む時計!ブレゲの銘品「アエロナバル」

Komehyo

 ブログ担当者:南

 

 

人は格付けをすることが好きなのかもしれません。時計業界にも「雲上ブランド」と呼ばれる時計ブランドがあります。一般的な時計メーカーが競争している状況から一線を画し、「雲の上から」見ているような立ち位置にあるメーカーのことを指します。歴史的な立ち位置、品格、そして自らの矜持を保つかのようにこだわり抜いた品質は他のメーカーを凌駕します。

 

どのブランドが雲上ブランドなのかは様々な意見があります。多くの人は「パテック・フィリップ」「オーデマ・ピゲ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」の名前を挙げています。そこに続く名前としてしばしば登場するのが「ブレゲ」です。「時計の歴史を200年早めた」と言われる天才時計師アブラアン=ルイ・ブレゲを創始者に持つ時計ブランドです。そのブレゲのラインナップに「タイプXX アエロナバル」(以下「アエロナバル」)という時計があります。ロレックス、オメガ、タグホイヤー、ブライトリング、IWCといった高級時計を所有している方が、次のステージの時計を求める際によく候補に挙がるモデルです。

 

 このモデルを購入したい方からよく「革バンドかメタルバンドかどちらのアエロナバルがおすすめですか?」と質問されることがあります。同じ時計で「革バンド」と「メタルバンド」の両方がラインナップされていることはよくありますが、通常、そのかっこよさや雰囲気の良さはどちらか一方に偏ります。しかし、アエロナバルに関しては、私たち時計スタッフはしばしば悩みます。何故ならば、革バンドのアエロナバルもメタルバンドのアエロナバルも共に素晴しい出来栄えの時計だからです。「革バンド、メタルバンドのどちらのバンドが付いても崩れないバランス感」は他の時計にはない魅力です

 

今週は、時計スタッフをも悩ませる銘品「アエロナバル」の魅力に、「革バンド」と「メタルバンド」の両面から迫ります。

 

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(革バンドのアエロナバル「3800ST/92/9W6」)
 
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(メタルバンドのアエロナバル「3800ST/92/SW9」)

 

 

 

 

◆ブレゲについて

ブレゲの歴史は1775年、パリの時計工房から始まりました。創業したのは時計史上最大の天才「アブラアン=ルイ・ブレゲ(1747-1823)」です。時計師ブレゲは自動巻機構から始まり、クロノグラフ、永久カレンダー、ミニッツリピーター、ツインバレル、トゥールビヨンなど数々の天才的な発明で時計の技術を大きく進歩させます。さらに、コインエッジ、ブレゲ針、ブレゲ数字、シークレットサインなどデザイン面においても時計史の中で大きな影響を残します。初代ブレゲの発明は現在の機械式時計の礎になっており、彼が天才時計師と言われる所以となっています※1。そして、マリー・アントワネット、ナポレオン・ボナパルト、アレクサンドル1世などの錚々たる人物が顧客名簿に残っていることは、ブレゲというブランドの格式を一層高めています。

 

 

 

 

◆「アエロナバル」はフランス空軍に採用された軍用時計

前述していますが、アエロナバルは「タイプXX(トゥエンティ) アエロナバル」という名称です。実は、今回紹介をしているモデルは第3世代のモデルです。その初代「タイプXX」は、1950年代にフランス軍がブレゲにパイロットウォッチの製作を依頼したことがきっかけで誕生します。そして、1955年に海軍航空部隊(通常アエロナバル)のパイロットのための時計として完成します。時を経て1970年代にベークライト製のベゼルを持つ第2世代の「タイプXX」が登場し、1995年に発表されたのがシリーズ初の自動巻ムーブメントを備えた第3世代「タイプXX アエロナバル」です。第3世代は自動巻機構を持つ「現代のタイプXX」という位置付けです。

 

「タイプXX」と「アエロナバル」という2つの単語が登場しておりますので、混乱のないよう補足をします。第3世代の「タイプXX」にはバリエーションがあります。日付無しクロノグラフの「アエロナバル」、日付有りクロノグラフの「トランスアトランティック」、アラーム機能の「アジェンダ」を区別して認識する必要があるため、「タイプXX アエロナバル」という名称で紹介をしています。

 

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 (「トランスアトランティック」と「アジェンダ」)

 

その後、2004年にケース径が42mmに拡大された「タイプXXI」、2010年に72000振動/時という超ハイビートに進化した「タイプXXII」が登場します。ここまで述べたように「タイプXX」から始まるこのシリーズには長い系譜があります。現在も進化を続けているシリーズですが、「フランス空軍に採用された軍用時計」という遺伝子を持っていることがこの「タイプXX」から始まるシリーズのアイデンティティです。

 

 

 

 

◆「革バンド」「メタルバンド」どちらでも魅了できるアエロナバル

第3世代であるアエロナバルの魅力は数多くあります。39mmという万能なケース径や、職人が丁寧に仕上げる美しいコインエッジ、フライバック機能をもったレマニア製クロノグラフムーブメントの採用など時計が好きな方には嬉しい魅力が詰まっています。しかし、私が最も伝えたいアエロナバルの魅力は「革バンド、メタルバンドのどちらのバンドが付いても崩れないバランス感」です。

 

「メタルバンドのアエロナバル」は、ケースとバンドのバランスが非常に秀逸です。まず、ドーム型にデザインされた風防はベゼルのラインと一体化しています。そして、そのラインは腕に沿って湾曲しているメタルブレスレットにつながります。つまり、風防からブレスレットにつながる「一連の流れ」が時計の美しさを引き出します。ミリタリーウォッチではありますが、光沢をまとった「流線美」を表現するのが「メタルバンドのアエロナバル」です

 

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(風防からブレスレットへの流れが美しい)

 

 

アエロナバルは革ベルトとの相性も抜群です。艶やかな光沢を全体から放つ「メタルバンドのアエロナバル」とは異なり、「革ベルトのアエロナバル」は本来の「軍用時計という遺伝子」をより主張します。そしてミリタリー調の渋く、落ち着いた雰囲気になることで、ケース側面の美しいコインエッジ仕上げが際立ちます。そのコインエッジの終わりから流れるように伸びるラグは上質な革バンドとつながります。「ミリタリー調」と「上質」の見事なコントラストを表現するのが「革ベルトのアエロナバル」です

 

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(「ミリタリー調」と「上質」の見事なコントラストを表現)

 

 

 

 

皆さんはどちらがお好みでしょうか?時計に携わる仕事をしている私でも「革バンドとメタルバンドのどちらのアエロナバルが良いのか」答えが見つかりません。それほどまでにアエロナバルはデザインバランスが良い時計です。もし皆さんもそれらを比較する機会があれば、私と同じように悩んでみてはいかがでしょうか?きっと「どちらを選んでも後悔することがない」という結論になることを私は予想しています。

 

 

※1・・・ブレゲについては別のブログ「時計史上最も有名な人物はブレゲ ~ブレゲ社が持つ創設者への想い~」も是非ご覧ください。

 

 

 

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