高級腕時計の時計通信

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4.2.2023

【2023年度版】時計選びで「メタルバンド」か「革ベルト」のどちらを選ぶべき? ~バンドの種類によるメリット・デメリットを紹介~

Komehyo

ブログ担当者:澤本

(リライト:須川)

 

■時計選びで「メタルバンド」か「革ベルト」のどちらを選ぶべき? ~バンドの種類によるメリット・デメリットを紹介~

 

今回は、腕時計選びのときに、多くの人が抱く「悩み」についてです。

 

それは、

 

メタルバンド(金属ブレス)

 

 

革バンド

 

のどちらにしようか

 

という悩みです。

↑メタルバンド

↑革バンド

 

例えば、上の画像の時計は、タグホイヤーの「カレラ デイデイト キャリバー5」のメタルバンド仕様と革バンド仕様です。つまり、これらは“同じモデルのバンドの種類違い”です。

 

 

 

 

皆さんも、「同じモデルでも、かなり雰囲気が違う」と感じるのではないでしょうか。

 

同じモデルでもこれだけ雰囲気が変わるのですから、購入時には「どちらにしようか?」と悩むことも頷けるところです。

 

ただし、この悩みを引き起こす要素は、“雰囲気の違い”以外もあります。それは、“価格の違い”です。つまり、メタルバンドモデルと革バンドモデルには“価格差”があるのです。ただし程度の差もあり、価格差が大きいメーカーもあれば、あまり価格差がないメーカーもあります。傾向としては、“高級メーカー”になればなるほど、メタルバンドモデルと革バンドモデルの価格差が大きくなる傾向があります。

 

例えば、IWCの現在のポートフィノのを例にすると、メーカー価格差は以下のようになります(執筆時点)。

 

 

・「メタルバンド」

(型式IW356505)

781,000円

 

 

・「革バンド」

(IW356501)

654,500円

 

 

 

つまり、126,500円の価格差があります。

 

そのため、例えばこのIWCのポートフィノにおいて「メタルバンドを選ぼう」と決めることは、「ワンランク上の価格のものを選ぼう」と決めることでもあるのです。

 

 

 

 

やはり価格差まで含めると、総合的な判断が必要となりますので、「メタルバンド or 革バンド」という選択は簡単ではありません。そこで今回は、腕時計選びにおいて、「メタルバンドか革バンドのどちらを選ぶべきか」という点について、私なりのアドバイスをさせていただきます。具体的には、それぞれのバンドの種類におけるメリット・デメリットを紹介してきます。

 

 

 

 

 

 

■最も大事な要素は「直感での好み」!

 

さっそく本題に入ります。「メタルバンドか革バンドのどちらを選ぶべきか」という命題に対する、私のアドバイスとしては、以下の流れが良いと思います。

 

 

 

<バンド選びの流れ>

 

1.まずは、メタルバンドか革バンドかを、“直感での好み”で選ぶ

 

 

2.“直感の好み”からの選択により、3つのカテゴリーに分類する(※1)

 

「3つのカテゴリー」:

①メタルバンド派

②革バンド派

③どちらでもOK派

 

 

3.それぞれのメリット・デメリットと向き合う

 

 

 

上に挙げたものが、バンドの種類選びの流れです。ただ、この3つのステップで最も大事な点は、やはり“直感での好み”で選ぶことです。例えば、感覚的に「メタルバンドの重厚感が好き」という方もいれば、「革ベルトの落ち着いた大人っぽさが好き」という方もいるでしょう。このステップがとても大事なのです。なぜなら、この直感的な感性を大事にしなければ、愛着がわかず、結局使わなくなってしまいます。人間の感覚は、理屈を超えるのです。見た目の好みがはっきりしているのであれば、そこを最も大切にするべきです。

 

 

 

 

 

 

■3つのカテゴリーにおける、良い点、悪い点

 

さて、直感的に見た目の好みを選ぶと、下の3つのカテゴリーに分かれると思います。

 

 

 

「メタルバンドが好き」という人

→①メタルバンド派

 

「革バンドが好き」という人

→②革ベルト派 

 

「どちらも欲しい」「どちらでもよい」という人

→③どちらでもOK派 

 

 

 

それぞれのタイプにはメリット(良い点)デメリット(悪い点)があります。それらを紹介しましょう。

 

 

 

①メタルバンド派

 

<デメリット>

・時計が重くなる

→物理的に、金属性のバンドの方が重さがあります。メタルバンドの中側が中空か無垢かによっても差がありますが、中まで目詰まりした無垢ブレスだと、かなり重量感を感じるでしょう。

 

・使用すると傷がつく

→金属製のバンドは、使用傷が付きやすい点は、押さえておきましょう。もちろん、傷がついたメタルバンドは研磨をすることで綺麗にすることができますが、研磨をするということは表面を削るということになります。そのため、何度も研磨すると、素材自体が目減りし、ブレスレットが痩せていってしまいます。

 

・良し悪しが出やすい

→メリットでありデメリットかもしれませんが、メタルバンドにはその時計の作りこみの度合いがはっきりと表れます。そのため、しっかりとした作りこみがされていないと、時計自体が安っぽく見えてしまいます。

 

・価格が高い傾向にある

→業界全体として、革バンドモデルよりも、メタルバンドモデルの方が価格設定が高い傾向にあります。

 

・金属アレルギーのリスク

→金属アレルギーの方は、皮膚に密着する金属部分が広範囲になりますので、リスクになるでしょう。

 

 

 

<メリット>

・定期的なバンド交換が不要

→革バンドは劣化による定期的な交換が必要となりますが、メタルバンドは基本的に“最初の付属バンド”を使い続けることができます。ただし、故障やたわみは起こる可能性があります。

 

・水に強い

→雨の日や夏場の汗をかく時期でも気にせずに使うことができます。時計本体に防水機能がついていれば、直接水洗いができるのも良い点です。

 

・合わせられる服装の幅が広い

→私服からスーツまで合わせることができるので、合わせる服装の幅が広いと言えます。

 

・見た目が、「カジュアル」「スポーティ」になる

→ブレスレットのデザインにもよりますが、一般的な幅広いコマのデザインであれば、見た目がより「カジュアル」「スポーティ」になります。「重い」「堅い」という印象を与えたくない場合は、良さとなるでしょう。

 

 

 

 

②革ベルト派

 

<デメリット>

・定期的なバンド交換が必要

→革バンドは“消耗品”という扱いのため、劣化すれば交換が必要です。つまり、定期的に交換する必要があるということです。その寿命は使用頻度によって異なりますが、毎日使用すれば1年から2年で交換しなければいけなくなるでしょう。

 

・水に弱い

→革バンドは水に弱いという弱点があります。雨の日や汗をかく夏場は、使用を控えた方がよいでしょう。

 

・カジュアルな服装との相性が良くない

→一般的に、革バンドは「堅い」印象になります。そのため、スーツやタキシードなどには合いやすいですが、カジュアルな装いとの相性は良くありません。

 

 

 

<メリット>

・革を交換して楽しむことができる

→デメリットで「定期的な革交換が必要」という点を挙げましたが、逆に、「定期的に革ベルトデザインを変えることができる」ということでもあります。革バンドには種類がありますので、色や素材を変更してみても面白いでしょう。また、革バンドを複数所持して、季節や服装に合わせて付け替える方もいます。

 

・メタルバンドより軽い

→金属のバンドはどうしても重くなりますが、革バンドの時計は重さがそれほどなく、軽量な時計として使うことができます。

 

・高級感やおしゃれ感を演出しやすい

→革バンドは種類によって時計の印象を変更できるので、センスを表現しやすいでしょう。また、革製品は種類により独特の雰囲気があるため、「クラシック感」「フォーマル感」など、より大人な雰囲気を出すことができます。時計上級者っぽく見せたいという方にも良いでしょう。

 

・メタルバンドより価格を抑えることができる

→一般的には、メタルバンドより革バンドのモデルの方が価格がお手ごろに設定されます。予算的に「メタルバンドモデルは難しいけど、革バンドモデルなら届く」という状況もありうるでしょう。

 

・金属アレルギーのリスクが低い

→皮膚に付く金属部分が、基本的に裏蓋だけになりますので、金属アレルギーの方はリスクを下げることができます。裏蓋はフィルムなどを貼れば、金属部分の密着を防ぐことができるので、革バンドモデルは金属アレルギーの方に良い選択肢です。ただし、Dバックル(開閉式留め具)の場合は、金属製のDバックルにも対策の必要があります。

 

 

 

 

③どちらでもOK派

 

<メリット>

・自由度が高い

「どちらでもOK」という方は、購入時に“選択肢の自由度”があります。バンドの種類にこだわりがない分、幅広いモデルを選択肢にできます。そして、どちらでもOK派のメリットはそれだけではありません。「バンドの種類を後から変更する」という方法をとれるメリットもあるのです。

 

具体的には、

 

最初はメタルバンドモデルを購入し、後から革バンドだけを買い足して付ける

 

という方法がとれるのです。

 

この方法は、どちらでもOK派以外でも対応可能かもしれません。しかし、「購入前から、後からバンド種類を変更することを見越しておく」という視点をもっていることが有利なのです。なぜなら、バンド変更には、「メタルバンドから革バンドに変更できない」または「革バンドに変更すると、デザイン的に不恰好になる」という状況になる可能性があるからです。購入前から、“バンドの種類を変更した後のこと”を考えておくことで、そのリスクを排除することができます。

 

あと、補足をしておきます。上では「メタルバンドモデル購入→後から革バンド買い足し」という前提で書きましたが、逆の「革バンドモデル購入→後からメタルバンド買い足し」はおすすめしません

 

少し説明をします。まず、革バンドは純正品にこだわらない人も多い点があります。これは、革バンドが“消耗品”であるが故の感覚なのでしょう。この状況にはメリットがあります。そのメリットとは、非純正バンドであれば売っているお店が多いので、「簡単に入手ができる」というものです。

↑非純正バンドは簡単に入手ができる

 

しかし、メタルバンドは違います。多くの方が、純正品であることにこだわります。これは、メタルバンドが“ずっと使うもの”であること、さらに、純正品でないとデザイン的なバランスが悪いことなどが理由でしょう。純正品のメタルバンドは、基本的にお店が在庫を持つことはありません。そのため、メーカーに依頼しないと入手できないというデメリットがあります。

 

また、価格面の理由もあります。例えば時計本体は、購入の方法として「並行輸入新品」や「中古品」という選択肢があります。そのため、メーカー価格より安価に入手する手段があります。しかし、純正メタルバンドの買い足しは、基本的に「メーカーからの新品購入」しか選択肢がないからです。つまり、安価に入手することができないのです。

 

これらの点を総合的に考えると、最初にメタルバンドを購入することを、私はおすすめします

 

 

 

<デメリット>

・なし

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

今回は、「メタルバンドか革バンドのどちらを選ぶべきか」という命題に対して、私なりのアドバイスをしたくて書かせていただきました。

 

上で紹介したように、メタルバンドと革バンドにはそれぞれメリットとデメリットがあり、「どちらでもOK」という方にもメリットがあります。

↑どちらのバンドにもメリットがある

※画像はブレゲ「タイプXXI」

 

ただし、私が強調したい点は、

 

“直感的な感覚”を大事にしながら、“実際の実用性”も考えておく

 

ということなのです。

 

これが、メタルバンドか革バンドかという選択において、失敗しない方法だと考えています。つまり、前述したように、まずは直感的に好きな見た目の方を選び、それから、それぞれのメリットとデメリットを考えるのです。これで、直感的に好きなものを選びながら、「実際に使ってみると、合わなかった」という悲しい結末を回避できるのです!

 

 

 

※1・・・今回は「メタルバンド」と「革バンド」の2種類に絞っていますが、これは、分かりやすく説明することを優先したからです。実際には「ラバー(樹脂)バンド」「クロス(布)バンド」「非金属ブレスレット(セラミックブレスなど)」も存在します。さらに発展したタイプとして、「裏面を樹脂素材にした革バンド」「樹脂で覆われたメタルバンド」「金属芯が入った樹脂バンド」などもあります。

 

 

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