高級腕時計の時計通信

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27.10.2017

高級時計のスペック表示に登場する「28800振動」とはどういう意味?(前編) ~「振動数」を理解する~

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

時計雑誌などを読んでいて、「28800振動」や「21600振動」など、「○○振動」というワードに出くわしたことはありませんか?また、この関連用語でもある「ハイビート」、「ロービート」もよく登場する時計用語です。特に男性は、“製品スペック”にも注目しながら製品選びをする傾向にありますので、それらの用語は気になるかもしれません。

 

↑当ブログ投稿でも登場する「○○振動」

 

これらの「○○振動」、「ハイビート」、「ロービート」の用語は、“振動数”に関係する時計用語です。

例えば実際に、ゼニスの公式ホームページ内の製品紹介を見ても、

 

 

・「毎時 28,800 振動の自動巻エリートキャリバー」

 

・「エル・プリメロ 400 キャリバー: 部品数 278 個、石数 31、毎時 36,000 回の振動数

 

 

という表記があります。

 

やはり、この“振動数”の用語は普通に登場しています。しばしば登場する用語であるが故に、知っておくと高級時計に対しての理解がより深まります。もちろん、高級時計を見る“目”も肥えるようになるでしょう。

 

そこで今回は、時計の“振動数”について紹介いたします。前編と後編に分けさせていただきますので、是非、両編ともご覧下さい。

 

 

 

 

 

 

■振動数の意味は?

 

結論から言うと、“振動数”とは、

 

時計内部の“時間のペースを作る機構”が、1時間(または1秒間)に動いた回数

 

(※機構の動きを「振動」と表現しています)

 

なのです。

 

その動く機構(部品)とは

 

この画像の部分です。

 

そして、機械式時計の“振動数”には種類があり、モデルによって“振動数”が異なります。下で、代表的な例を紹介します。

 

 

<21600振動>

・オメガ/スピードマスタープロフェッショナル

・パネライ/ルミノールベース(PAM00112など)

など

 

 

<28800振動>

・ロレックス全般

・ETA社製自動巻(業界標準機)搭載モデル

など

 

 

<36000振動>

・ゼニス/エルプリメロ搭載モデル

・グランドセイコー/36000ハイビートモデル

など

 

 

上に挙げた3つの種類、つまり「21600振動」「28800振動」「36000振動」が現在のメジャーな振動数の種類です。他にも「14400振動(懐中時計)」「18000振動」「19800振動」「25200振動」「72000振動」などがあります(※1)。

 

 

「28800振動」などの“万の位”の数字は、「“一時間あたりに”動いた回数」を表します。

 

・数が多い = 動きが速い

・数が少ない = 動きがゆっくり

 

という意味になります。

 

この数字は「一時間あたりに動いた回数」ですので、「“一秒あたりに”動いた回数」や周波数(ヘルツ)にも変換可能です。

 

・21600振動/時 = 6振動/秒 = 3ヘルツ

・28800振動/時 = 8振動/秒 = 4ヘルツ

・36000振動/時 = 10振動/秒 = 5ヘルツ

 

また、「21600振動」以下をロービート「28800振動」以上をハイビートと表現することが一般的です(※2)。

 

 

 

 

 

 

■現在、最もメジャーな“振動数”は?

 

では、現在最もメジャーな“振動数”はどれなのでしょうか?

 

その答えは、「28800振動」です

 

ロレックス、オメガ、タグホイヤー、ブライトリング、IWCなどなど、多くの機械式時計は、この「28800振動」を採用します。

 

つまり、

 

「28800振動」 = 現在の標準

「21600振動」 = ゆっくりめ(遅め)なタイプ

「36000振動」 = 速めなタイプ

 

ということになります。

 

ここまで理解できると、また別の疑問が湧いてきませんか?

 

“振動”は速い方が良いの?遅い方が良いの?」と。

 

その疑問は、次回の後編で解説いたします。是非、ご覧下さい。

 

 

 

※1・・・2010年に登場したブレゲのタイプXXⅡは、「72000振動」という衝撃的な振動数でした。しかし2017年、ゼニスから衝撃の発表がありました。「15ヘルツのムーブメントの開発に成功した」とのことです。つまり、振動数にすると「30振動/秒」「108,000振動/時」です。デファイ・ラボというモデルに搭載されるようです!

 

※2・・・「28800振動」と「21600振動」の中間に、「25200振動」があります。この振動数はオメガのコーアクシャル脱進機搭載モデルやロンジンのエクスクルーシブキャリバーなど、ごく一部にしか採用されておらず、あまり採用例がないマイナーな振動数です。そのため、あまりハイビート/ロービートに区分けされることはありません(どちらかというと、ハイビートに属すると思いますが)。

 

 

 

※後編はこちら

↓↓↓

高級時計のスペック表示に登場する“28800振動”とはどういう意味?(後編) ~“振動”は速い方が良い?遅い方が良い?~

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