高級腕時計の時計通信

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26.7.2019

【ヴィンテージウォッチの基本】良いヴィンテージウォッチの見分け方とは? 

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

■【ヴィンテージウォッチの基本】良いヴィンテージウォッチの見分け方とは?

 

今回は、ヴィンテージウォッチ(アンティークウォッチ)の話をしましょう。

 

弊社でもヴィンテージウォッチを取り扱っていますが、よく、

 

ヴィンテージウォッチは、どうやって選べば良いの?

 

と、聞かれます。

しかし、この質問の回答は難しいのです。なぜなら、ヴィンテージウォッチを購入する人の目的は、人によって違うからです。例えば、“ファッションアイテム”として選ぶ方もいれば、“趣味の蒐集品”として選ぶ方もいます。最近では、高級腕時計の資産性が高まっていることもあり、“資産”として購入する方もいます。

 

そのため、「ヴィンテージウォッチはどうやって選べば良いの?」という質問の回答は、その購入目的によって異なることになります。“ファッションアイテム”なら「デザイン性の良さ」、“趣味の蒐集品”なら「趣味性の高さ」、そして、“資産”としてであれば「資産性の高さ」がポイントになります。

 

ただし、どの目的の方にもおすすめの、“良いヴィンテージウォッチの見分けポイント”があります。それは、「オリジナリティが残っているかどうか」です。以降で説明いたします。

 

 

 

 

 

 

■良いヴィンテージウォッチの見分けポイント

 

冒頭でも触れましたが、私は、良いヴィンテージウォッチの見分けポイントとして「オリジナリティが残っているかどうか」を挙げます。言い換えると、「“製造された当時の仕様”がそのまま維持されていること」が大事ということです。

 

少し説明します。一般的に“通常の製品”は、「仕様が最新」「状態が良い」ものの方が評価が高くなります。しかし、ヴィンテージウォッチは違います。そもそも、ヴィンテージ品は“昔のもの”ですので、ヴィンテージを選ぶ方は、「仕様の新しさ」を求めていません。むしろ、「枯れた雰囲気」こそを好んでいるでしょう。

 

そして、ヴィンテージを選ぶ方の評価基準は、

 

「状態の良さ」 < 「オリジナリティ」

 

です。

 

例えば、状態が良くないヴィンテージ品があった場合を想定しましょう。このときにヴィンテージ愛好家は、「メーカーに依頼して、部品を新しいものに換えよう」という考えはありません。むしろ、修理の際には、「なんとか当時の仕様を残したままにしたい」と考えるでしょう。

 

つまり、ヴィンテージウォッチは、「“製造された当時の仕様”が維持されていることが重要」であり、さらに、「“枯れ感”を感じるために、経年劣化さえも受け入れる」ことが一般的なのです。

↑オリジナリティが大事

 

 

 

 

 

 

■変更されることが多い部品とは?

 

ヴィンテージウォッチは、製造から時間が経っています。そのため、経年劣化した部品を、メーカー修理で新しい部品に換えていることもよくあります。そのため、部品の一部が変更され、オリジナリティが一部損なわれているヴィンテージウォッチもあります。

 

そこで、ここでは、“変更されることが多い部品”を紹介します。

 

 

 

〈変更されることが多い部品〉

 

①文字盤

文字盤は、湿気や紫外線などで劣化が起こります。そのため、文字盤の仕様が変えられていることはよくあります。具体的には、昔はリダン(文字盤の書き直し)を行うことが多かったようですので、メーカー外で書き直しされた文字盤をよく発見します。また、文字盤の夜光塗料は、かつてラジウムやトリチウムという、発光寿命のある塗料でした。そのため、夜光塗料を塗りなおした個体もよく見受けられます。

 

 

 

②針

針は金属性であることが多く、腐食や錆が発生していることがあります。そのため、針交換された個体がよくあります。また、針上にある夜光塗料も、塗り直しされた個体があります。

 

 

 

③風防(ガラス)

ヴィンテージウォッチの風防、つまり、ガラス部分は、プラスチック製であることが多いです。現在主流のサファイアガラスよりも傷がつきやすいガラスですので、純正またはジェネリックのプラスチック風防に交換された個体をよく見ます。

 

 

 

④ブレスレット

ヴィンテージウォッチは金属ブレスレットでないことが多いですが、例外的にロレックスやオメガは金属ブレスレットであることが多いです。ヴィンテージの金属ブレスレットの場合、現在ほど丈夫な作りでないため、故障するケースがあります。そのため、ブレスレット交換された個体をよく見ます。

 

 

 

⑤ムーブメント部品

内部のムーブメントには、歯車、ゼンマイ、板バネなど、さまざまな力のかかる部品が使われています。そのため、摩耗や劣化、さらに衝撃で部品の破損が起こりえます。昔は、時計店の修理技師がムーブメント部品を作り出して修理をすることも多かったようですので、ムーブメント部品がメーカー外パーツになっている個体もよくあります。

 

 

 

ここで紹介した以外にも、変更されることのある部品はあります。ただ、上で紹介した「文字盤」「針」「風防」「ブレスレット」「ムーブメント部品」は、最も変更がされやすい部品と認識してください。

 

 

 

 

 

■最後に

今回は、良いヴィンテージウォッチの見分け方ポイントとして、「オリジナリティが残っているかどうか」という見方を紹介しました。

 

もちろん、ヴィンテージウォッチはかなり年月を重ねた個体が多いので、“製造当時の仕様”がキープされていることは少ないことが現実です。だからこそ、オリジナリティが残っているものが希少で、評価されるのです。

 

例えば最近では、「ノンポリッシュ」や「ネバーポリッシュ」と表現される個体があり、評価されています。これは、外装に“傷消し”をしていないと想定されるもので、“製造初期の外観を残した個体”です。もし、こういった個体に出逢えたら、幸運なことです。

 

皆さんも、いろいろなヴィンテージウォッチと出逢い、皆さんだけの一本を探してみてください!

 

 

 

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