高級腕時計の時計通信

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5.4.2019

【腕時計の名作を知る!】ジャガールクルト「ジェントローム」 ~今はなきデザインを持つジャガールクルト~

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

今回は、ネクストヴィンテージの名作のひとつとして、ジャガールクルトの「ジェントローム」を紹介します。

↑ジェントローム

 

きっと多くの方は、「ネクストヴィンテージ??」と、用語の意味が理解できないと思いますので、少し説明します。

 

ご存知の方も多いと思いますが、現在の高級時計の主流は、ゼンマイで駆動する“機械式時計”です。例えば、ロレックスやパテックフィリップの多くのモデルも、自動巻式や手巻式の機械式時計です。

 

その機械式時計は、一度、クォーツ(電池)式時計の台頭によって衰退しました。しかし、1980年代後半期より徐々に人気を盛り返します。趣味として高級時計を嗜む方にとっては、その人気を盛り返す「1980年代後期から1990年代」が面白いのです。なぜなら、機械式時計の復権を掛けて、そして、己の成長を掛けて、それぞれのメーカーがたくさんの名作を生み出したからです。

 

当社では、その1980年代後半~1990年代ごろの名作を、「ネクストヴィンテージ」と呼んでいます

 

つまり今回は、1980年代後半~1990年代ごろの時期の名作のひとつとして、ジャガールクルトの「ジェントローム」を取り上げたいのです。是非、最後まで読んでみてください。

 

 

 

 

 

 

■「ジェントローム」とはどんなモデル?

 

まずは、ジェントロームについて紹介します。

ジェントロームの外観は、上の画像の通り、ラウンド型のシンプルなデザインです。ジャガールクルトの現行モデルには、「マスターシリーズ」というラウンドウォッチのシリーズがありますが、ジェントロームは“マスターシリーズの前時代のラウンドモデル”という印象です。

↑マスターシリーズ

※画像は「マスターコントロール」

 

後継のマスターシリーズは、1992年から開始するジャガールクルトの自社検査「マスターコントロール1000時間」の開始とともに登場します。このマスターシリーズの誕生を受けて、それまでにあったラウンド型シリーズ(ジェントローム、ヘライオン、オデッセウスなど)は姿を消していきます。そのため、ジェントロームは現在、“生産終了品”という存在です。

 

生産されていた当時のジェントロームは、選択肢の幅が広かった点が、ひとつの特徴でしょう。

例えば、シンプル機能のモデルでは、

 

男性用の

「手巻の2針モデル」

「手巻のスモールセコンドモデル」

「自動巻のスモールセコンドモデル」

「自動巻のスモールセコンドモデル(日付つき)」

 

があり、

 

さらに、「女性用モデル(手巻)」もあります。

 

大きさとしては、男性用モデルは、手巻モデルがケース直径約34mmで、自動巻モデルが約35.5mmでした。つまり、手巻と自動巻で1.5mmほどのサイズ差がありました。そのため、“サイズ”、“秒針の有無”、“自動巻か手巻か”、“日付の有無”でバリエーションがあったことになります。このような細かなバリエーションを作る点は、今よりもマーケティングが曖昧だった時代の特徴だと感じます。

 

ただ、素材は基本的にイエローゴールドかホワイトゴールドですので、素材の選択肢については「少ない」という評価となるでしょう。

 

 

 

 

 

 

■「ジェントローム」の魅力

 

私は、ジェントロームの魅力は「デザイン」にあると思います。なぜなら、今のジャガールクルトにはないデザインだからです。

 

少し説明します。「紳士」という意味をもつジェントロームは、その名に相応しく“誠実なデザイン”を持つ時計です。

 

気をてらわない伝統的なラウンドケースに、ややテーパー気味のストレートラグを組み合わせます。そして、文字盤上のインデックスには、ローマ数字を採用しています。

 

まさにジェントロームは、紳士に相応しいジャケットスタイルに合いそうなデザインです。

また、ベゼル前面はプレーンにされていますが、側面には、ギザギザとした造形を与える“コインエッジ”が施されます。

 

現在のジャガールクルトのラインナップには、ラウンド型でここまでクラシカルなデザインを持つモデルはありません。そのため私は、ジェントロームを、“今はなきデザインを持つジャガールクルト”と評価しています。

なお、裏蓋にマスターコントロールの刻印がない点も、当時ならではです。

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

今回は、ジャガールクルトのかつての名作、「ジェントローム」を紹介しました。

 

今のジャガールクルトとは一味違うクラシカルなデザインを持つモデルだけに、「おっ、渋くてかっこいい!」と琴線に触れる方もいらっしゃるでしょう。

 

特にジェントロームは、当時から同じグループだったIWCのポートフィノに近い雰囲気もありますので、IWC愛好家にも親しみやすいと思います。

 

ジェントロームは、元々、たくさん市場に出回っているモデルではありません。そのため、当社でも入荷することは少ないです。だからこそ、もし遭遇することがあれば、それはチャンスです。そして、手に取るチャンスを得た方は、是非、そのデザインの“紳士さ”を感じてみてください!

 

 

 

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