グッチの人気をデザイン・シリーズ・素材などから探る

■ はじめに

グッチは普段使いからフォーマルまで幅広いシーンで選ぶことができ、多くの女性から年代を問わず愛され続けているブランド。
ブランドの歴史は100年以上続く長いものですが、その時代の流行や背景をきっかけに革新を続け、幾度となく復活と変革を成し遂げてきたと言われています。
今回はグッチの人気をデザイナーやシリーズ、使われている素材などから、その魅力について迫っていこうと思います。

■グッチの変革期とデザイナー

創業100年以降続くグッチの歴史において、数多くのデザイナーが携わっています。
その長い歴史の中で、グッチを転換期と成長に導いたといわれている2人のデザイナーを紹介します。

トム フォード

1990年代にレディースウェアのデザイナーとして就任し、その後2004年までクリエイティブ・ディレクターを務めました。
彼は、今までのカントリー調だったデザインを、都会的な女性をイメージしたデザインに変更しました。

それだけでなく、広告、店舗演出、ディスプレイ、ショッピングバッグのデザインにまで関わり、デザイナーとしての活躍だけでなくブランディングも手がけることで、グッチを成長に導いたと言われています。
その功績は非常に大きく、”Mr.グッチ”と呼ばれるほどです。

アレッサンドロ ミケーレ

2002年にグッチに入社し、2015年からクリエイティブ・ディレクターに就任しています。
GGマーモントなど、今までのデザインを再構築し、クラシックを基調としながらもストリートなどのファッションにも取り入れられる現代風なデザインは、多くの人々を惹きつけています。

■グッチが人気の理由

アレッサンドロミケーレ就任後のデザインは、若者を中心に一大ムーブメントを巻き起こしました。
ミケーレのデザインはSNSなどで広く、急速に認知されていき、それが今のグッチの絶大な人気につながっていると考えられます。

2015年から就任したアレサンドロミケーレのデザインは、シンプルながらも鮮やかな色使いや多彩な素材を使用することで、どこかレトロな雰囲気を感じさせながらもエレガントなデザインとなっています。

そのデザインは、2015年からトレンドであった”ノームコア”と呼ばれるシンプルなファッションを支持する若者たちを中心に人気が高まり、今までハイブランドに手を出してこなかった世代にもハイセンスなファッションとして認知されるようになったと言われています。

次に若者たちは、グッチアイテムを身につけることを発信し、それが世界中のトレンドとして急速に構築されていったのではないでしょうか。

■グッチの代表的な素材

GGキャンバス

第二次世界大戦後に考案され、グッチの代表的な素材となったGGキャンバス。
まず、始めに考案されたものは、菱形素材のディアマンテというデザインです。

▼ディアマンテ

バッグ類だけでなく、ジュエリーにも使用されています。

その後、創業者グッチオ・グッチの頭文字であるGGを取り入れたデザインが現在のGGキャンバスになったと言われています。

▼GGキャンバス

GGプラス

GGキャンバスの表面をPVC(ポリ塩化ビニール)でコーティングし、撥水性と耐久性を向上させた素材です。
現在では環境問題への配慮によって、ポリウレタンを使用したGGスプリームが主流になっています。

GGスプリーム


GGプラスから移行した素材です。
見た目はGGプラスとほとんど違いはなく、撥水性や耐久性が高い素材となります。

ピッグスキン(豚革)

20年以上前に使用されていた素材です。
牛革と比較すると、硬く張りがあり、通気性が高いことが特徴です。
現行のデザインではほとんど使用されなくなりましたが、グッチを代表する素材の一つです。

■グッチの人気デザイン

GGマーモント

グッチのイニシャル「G」が2つ重なった金具が特徴のデザイン。
2017年のAWコレクションからクリエイティブ・ディレクターに就任したアレッサンドロ・ミケーレによって、1970年代のベルトのバックルをモチーフに考案されたデザインと言われています。

金具の表面はマット加工されており、ヴィンテージ品のような気品を感じさせます。
素材やデザインも多彩に展開され、現在のグッチにおけるアイコンデザインとして高い人気を誇っています。

オフィディア

ダブルGにトリコロールデザインを組み合わせたデザイン。
どちらもグッチを象徴するデザインであり、アイコニックな存在感があります。

ズゥミ

グッチを代表するインターロッキングGとホースビットを組み合わせたデザイン。
アレッサンドロ・ミケーレにより、再構築され、新しく生まれ変わったシリーズです。

▼ホースビット

▼インターロッキングG

ウェブストライプ

創業者グッチオ・グッチの出身国であるイタリアの国旗をモチーフにしたデザイン。
バッグ、財布類以外にスニーカーなどにも用いられているデザインです。

フローラ

フローラとは、ギリシャ神話に登場する花と春と豊穣をつかさどる女神です。
その名の通り、自然溢れる草花をモチーフにしたデザインです。

■最後に

100年の歴史を誇るグッチは、いつの時代でもそのデザインによって人々を魅了し続けてきました。

ぜひ、あなたのお気に入りのグッチアイテムを見つけてみてください。

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