高級腕時計の時計通信

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11.1.2019

【腕時計の基本知識】よく登場する用語「GMT」とは何のこと? ~GMT機能の使い方~

Komehyo

ブログ担当者:篠田

 

時計用語としてしばしば登場する「GMT」という言葉を、皆さんはご存知ですか?

高級時計の世界に踏み込んだばかりの方は、時計雑誌などでもよく見かける用語ですので、気になる用語だと思います。

 

有名なところでは、ロレックスの人気モデル「GMTマスターⅡ」にも、この「GMT」という用語が入っています。こういった人気モデルの名称にも使われる用語であるため、高級時計の世界では、頻繁に耳にする用語ではないでしょうか。

↑GMTマスターⅡ

 

今回は、この「GMT」という用語について説明をしましょう。

 

結論から言うと、GMTは第二時間帯を表示できる機能です。

例えば、よく「日本との時差が○○時間ある」のように、“時差”という言葉を聞くと思います。GMT機能のある時計は、時差によって異なる“2つの国(都市)の時間”を同時に表示できるのです。

 

以降で、GMTについて、分かりやすく解説しましょう。

 

 

 

 

 

 

■「GMT」を分かりやすく解説

 

冒頭で紹介したように、「GMT」は、時計用語で言うと「第二時間帯を表示できる機能」です。しかし実は、「GMT」という言葉は、時計だけの用語ではなく一般用語です。

 

 

GMT=Greenwich Mean Time(グリニッジ・ミーン・タイム)

グリニッジ標準時

 

 

これは、1884年の国際子午線会議で始まり、その後普及に至った世界の時刻表示の統一規格です。具体的には、「経度が15度ずれるごとに、時刻が1時間ずれる」というものが基本的な発想にあるのですが、この基準となる位置をイギリスのグリニッジ天文台にしました。例えば、イギリスが基準時の「±0時間」になりますので、経度+135度にある日本は「+9時間」となります。そのため、もしイギリス時間が1時だとすると、日本時間は「+9」をして10時ということになります。

 

ただし、グリニッジ標準時は既に過去のものとなり、現在は、原子時計を利用したUTC(協定世界時)がスタンダードになっています。

これが、「GMT」の本来の意味です。より簡単に表現すると、「イギリスを0位置とした、“時差”による世界の時間表示」ということです。

 

 

 

 

 

 

■時計における「GMT機能」を分かりやすく解説

 

「GMT」の意味が分かったところで、次は、時計のGMT機能についてです。

 

時計におけるGMT機能とは、「2つの国(都市)の時間を同時に示す機能」です。種類によっては、3つの国(都市)の時刻を表示することもできます。

 

GMTは、「イギリスを基準とした“時差”による世界の時間表示」ですので、2つの場所の時刻を示すには、“時針”が2つあれば十分です。

上の画像は、GMT機能をもつGMTマスターⅡですが、通常の時計より針が多いのが分かるでしょうか。“時針”に相当するものが2つあるのです。

 

 

・時針①

通常の時針。12時間で一周する。通常は、現在いる場所の時刻にしておく。

 

・時針②=GMT針

→もう一つの時針。「GMT針」と呼ばれる。昼夜の区別を分かりやすくするために、24時間で一周する。時刻の読み取りは、外周にある「24時間目盛り」を利用する。通常は、ホームタイム(自国/祖国時間)にしておく。

 

※現在いる国(都市)が自国であれば、時針とGMT針は同じ時間を示すことになります。

 

例えば、上の画像の場合なら、現在滞在している場所が10時、ホームタイムが13時という表示です。

 

2つの時針で“2つの国(都市)の時刻”が表示できますので、海外に滞在する場合や、取引や交信で海外時間を気にする場合などで、役に立つ機能です。

 

 

 

 

 

 

■GMT機能の使い方(操作方法)

 

最後に、GMT機能の操作方法も説明しておきましょう(※過去の投稿でも紹介しています→こちら)。

 

まずは、GMTウォッチの基本操作を把握します。

 

 

<GMTウォッチの基本操作とポイント>

 

●リューズを引いてできること

・リューズを1段引く

→時針のみが単独で動く(時差修正)

 

・リューズを2段引く

→時針・分針・GMT針の全てが連動して動く(時間合わせ)

 

※操作が異なるモデルもあります

 

 

●回転ベゼル

・「3カ国表示ができるタイプ」は、24時間を表示する回転ベゼルが備わります。回転ベゼルがないものは「2カ国表示タイプ」ということです。

 

※ロレックスの「GMTマスターⅠ」は例外で、回転ベゼルはありますが「2カ国表示タイプ」です。

 

 

●その他注意点

・日付は単独で変更はできません(時針を24時間分動かすことで、日付が変更)

 

・GMT針は単独では動かせない(その他の針と連動して動くのみ)

 

※操作が異なるモデルは、この限りではありません

 

 

 

上の状況を理解していただいたところで、具体的な操作を説明します。

 

まずは、日本がホームの人が、ニューヨークに行った時の時刻の表示に挑戦しましょう。

日本とニューヨークの時差は13時間です(サマータイム時)。つまり、ニューヨークの方が日本と比べて、13時間遅れています。例えば、画像のように、ホームタイムである日本の時刻は、GMT針で23時を指しており、訪れたニューヨークの時間は、分針と時針により午前10時となるような表示を作りたいのです。

 

時計をしばらく使っていなかった前提で、初期合わせから行ってみます。

 

それでは操作してみます。

 

 

 

①時針とGMT針を同期させる

→リューズを2段引きして分針を回し、連動するGMT針が24時の位置にくるようにする。リューズを1段引きにして、時針を単独で回転させて、時針も0時に合わせる。これで、両方が同じ時間になりました。

 

②ホームの日本時間を合わせる

→リューズを2段引いた状態で分針を回し、現在の日本時刻に合わせる。

 

③滞在する海外時間に合わせる

→リューズを1段引いて、時針のみを動かして、ニューヨーク時刻に合わせる。

 

※同期ができていて、初期合わせでない(時間が既に合わせてある)場合なら、③の操作のみです。

 

 

 

これで、日本とニューヨークという“2つの時差のある国”の時間設定が完了します。

 

さらに回転ベゼルがあるモデルでは、第3ヵ国目の時刻を表示することもできます。これも、挑戦してみましょう。

これは回転ベゼルを回すことで、「GMT針の読み取り目盛りの位置を変える」ことがポイントになります。

 

もし、設定したい時間がホームタイムよりも遅れていれば、遅れている分だけ回転ベゼルを「右に」回します。進んでいれば、進んでいる分だけ「左に」回すのです。そうすれば、読み取り目盛りの位置が変わります。

 

例えば、ホームタイムである日本時間が午後12時、現在の滞在地がロンドンで午前3時だったとしましょう。その時に、ニューヨークの取引先のことを気にする必要があり、ニューヨーク時間も把握したい状況があったとします(今回はサマータイムではないことにします)。

 

この場合、回転ベゼルを使い、ニューヨーク時間(午後10時)を表示できれば、第3時間帯の設定ができたことになります。では、やってみましょう。

 

 

 

①ホームタイムと滞在国時間は設定済みにする

※先に説明した方法です

 

②ホームタイムと第3国の時差を調べる

→日本とニューヨークは14時間の時差

 

③回転ベゼルを第3国との時差分ずらす

→回転ベゼルを14時間分ずらす

 

④GMT針を回転ベゼルの目盛りで読む

→ニューヨーク時間が分かる

 

⑤回転ベゼルを元に戻す

※再びホームタイムが読めるように

 

 

 

これで、瞬間的ですが、第3国の時間が分かります。第3国の時間は、あくまで「瞬間的な」表示であり、簡易的なものです。

 

しかし、ロンドンにいながら、ホームである日本の時間も把握し、サッと操作するだけでニューヨークの時間も把握できたのです。これが、“回転ベゼル付きGMTウォッチ”の実力です。

 

 

 

いかがでしょうか。今回は、「GMT」という用語と、その一般的な操作方法を紹介しました。操作は覚えてしまえば、難しくないと思います。

 

皆さん、機械式時計の醍醐味として、機能付きウォッチにも触手を伸ばしてはどうでしょうか。その有力な選択肢として、私なら、“GMTウォッチ”を強く推します。

 

なぜなら、機能付きの機械式時計の中で“GMTウォッチ”は、

 

 

・実用性の高い機能である

 

・GMT針がデザインアクセントになる

 

・メンテナンス費用も高くない

 

 

という利点があるからです。

 

そう、GMTウォッチは、最初の機能付きウォッチには最適なのです!

 

 

 

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