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16.12.2016

タグホイヤー「カレラ」を選択する人はなぜ増えたのか? ~人気モデル「カレラ」に迫る~

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

タグホイヤーの人気モデル「カレラ」をご存知でしょうか?

 

一昔前まで、カレラはそこまでメジャーなモデルではありませんでした。しかし現在では、時計業界を代表する人気モデルになりました。

 

では、なぜカレラを選択する人が増えたのでしょうか?

今回は、この疑問を紐解いてみたいと思います。

 

↑カレラの様々なモデル

 

 

 

 

 

■“初めての高級時計”の第二の選択肢に食い込んだ!

 

「カレラ」は1964年に誕生した時計です。その名称を純粋に訳すと、スペイン語で“レース”を意味します。しかし実際の語源は、同じ名をもつポルシェ911のように、メキシコで開催された伝説の公道レース“カレラ・パナメリカーナ・メヒコ(カレラ・パンアメリカーナ・メキシコ)”と言われています。

 

そして時を経た1996年、カレラが復刻されます。ケース径は35mm強ほどで、手巻式でした。その後自動巻式も登場しましたが、この初代のデザインを受け継ぐカレラはクラシカルな要素も強く、どちらかと言えば“好事家向け”でした。

 

↑1996年に復刻されたカレラ

 

 

しかし、カレラ誕生40周年に当たる2004年、カレラは生まれ変わります。そう、「カレラ・タキメータークロノグラフ」の登場です。このカレラ・タキメータークロノグラフが、“カレラ”を一躍時計業界のスターモデルにしたのです。

 

↑カレラ・タキメータークロノグラフ

 

カレラ・タキメータークロノグラフが人気を獲得できた理由はいくつか考えられますが、ここでは3つ紹介いたします。

 

 

①デザインの良さ

従来のクラシカルなデザインとは異なり、モダンで高級感のあるデザインとなりました。まさに「かっこいい」と形容できる見事なデザインです。

 

 

②人気ハリウッド俳優を広告に採用したこと

人気絶頂にあったブラッド・ピット氏を広告モデルに採用し、カレラは認知度とイメージを大きく向上させました。

 

 

③オメガのスピードマスターの対抗馬となったこと

カレラ・タキメータークロノグラフはデザインも良く、広告も成功しました。しかし、重要なことは“購入してもらえるかどうか”です。この点ですが、私たち時計販売店から見ても、カレラ・タキメータークロノグラフは多くの消費者の方からオメガのスピードマスターと比較検討されるようになったと感じます。

 

↑オメガのスピードマスター

 

一昔前の方が顕著だった気がしますが、“初めての高級時計”と言えば知名度の高いロレックスとオメガを検討する方が多いイメージがあります。そして高級化路線に舵を切る前のかつてのオメガは、今よりも購入しやすい価格帯でした(現在は価格が上昇した分、質が良くなっています)。そのため、「ロレックスが予算超えである場合、オメガをターゲットにする」という傾向があったように私は感じていました。オメガをターゲットにした方は、代表モデルのスピードマスターかシーマスターかという選択を経て、“クロノグラフ派”の方はスピードマスターを選ぶ流れになりがちでした。つまり2000年代半ばごろまでは、同価格帯のクロノグラフの選択肢においては、スピードマスターが“ひとり勝ち状態”でした(※1)。

 

しかし、カレラ・タキメータークロノグラフの登場によってその流れが変化します。“クロノグラフ派”の方が、スピードマスターとカレラ・タキメータークロノグラフを比較検討し始めたのです。デザイン面や広告により話題性があり、スピードマスターよりも数万円ほど安価なカレラ・タキメータークロノグラフは大きな魅力だったのでしょう。もちろんスピードマスターが優位である点は変わりませんが、同価格帯のクロノグラフの選択肢において、カレラ・タキメータークロノグラフはスピードマスターに次ぐ“第二の選択肢”になりました。

 

 

 

 

 

■現在は“新たなカレラ”を模索している!

 

時代は進んでいます。オメガやタグホイヤー以外のメーカーも、優れたモデルを優れた質感で投入しています。スピードマスターやカレラも、質感の向上や自社製ムーブメントの搭載など“価値の向上”を進めています。特にカレラは“自社製ムーブメントであること”を前面に押し出すようになりました。ブランド力を身に付けた現在の“カレラ”は、2004年から続く従来のデザインの後継機も残しながら、より高級感溢れる“新たなカレラ”を模索しています

 

↑カレラ1887クロノグラフ

(自社製キャリバー1887搭載)

↑カレラクロノグラフ・キャリバーホイヤー01

(自社製)

 

現在のタグホイヤーはサッカーやモータースポーツとの提携を強化し、若い世代へその存在感をアピールしています。一昔前より知名度を上げており、ブランド力は上がっているでしょう。そして、現在のタグホイヤーのカレラは、自社製クロノグラフムーブメントを搭載しながら、若い世代にも購入可能な価格を目指しているように感じます。分かりやすいように、以下でライバル関係にあるオメガのスピードマスターとカレラのメーカー価格の比較をしてみます。参考として、自社ムーブメントと他社ムーブメント(ムーブメントメーカーから購入するムーブメント)の比較も入れておきます。

 

 

 

<カレラとスピードマスターのメーカー価格>

※記事投稿時点の価格を8%消費税込みで表示しています

 

①カレラ(スレンレス製/メタルバンド式)

・他社ムーブメント/キャリバー16/自動巻

(CV201AH.BA0725)

→523,800円

 

・自社ムーブメント/キャリバー1887/自動巻

(CAR2110.BA0724)

507,600円

 

 

②スピードマスター(スレンレス製/メタルバンド式)

・他社ムーブメント/キャリバー1861/手巻

(311.30.42.30.01.005)

→572,400円

 

・自社ムーブメント/キャリバー9300/自動巻

(311.30.44.51.01.002)

→950,400円

 

 

この比較で、カレラの自社ムーブメントモデルがいかに戦略的な価格であるかが分かります。もちろん、外装のコストもありますので完全にフェアな同条件比較ではありません。しかし、一般的には自社ムーブメントの方が高価になる傾向がありますが、この4つのモデルの中で自社ムーブメントのカレラが最も安価な点は驚きです。

 

 

 

 

冒頭で「なぜカレラを選択する人が増えたのでしょうか?」と投げかけましたが、その答えは

 

「デザイン面と知名度の向上を計ることでモデルの魅力を上げ、ベンチマークするライバルよりも魅力ある価格で提供しているから」

 

というものではないでしょうか。

 

 

 

※1・・・ブライトリングも価格帯としてはスピードマスターの対抗馬になる存在でしたが、「デザイン面」「ブランドイメージ」など方向性の乖離が大きく感じます。つまり、ターゲット層が異なる印象があります。一般の方からも支持されるオメガに対して、時計好きの方に支持されるブライトリングというイメージでしょうか。そして、ブライトリングは2004年にクロノマット(エボリューション)を主力モデルに据えることになり、ワンランク上の価格帯をターゲットにするようになります。

 

 

 

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