高級腕時計の時計通信

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11.11.2016

ロレックスの時計にある番号って何? ~ロレックスの型式番号とシリアル番号~

Komehyo

ブログ担当者:荒川 

 

 

突然ですが、次の会話は実際に時計を生業とする私たちがロレックスについて話している内容です。

 

 

「人気の16710の青赤、1661014270の在庫数が減ってきています。」

 

1406014060M114270の在庫数は大丈夫ですか?」

 

「それらも相変わらず売れ筋商品なので、年末年始の需要に向けてたくさん用意をしたいです。」

 

 

たくさん数字が飛び交っていますが、私たちが普段話している風景はこのようなものです。この会話に登場する数字は型式番号(モデル番号)です。その他にもシリアル番号などがあり、時計業界の人はロレックスを“数字”で話していることが多いのです。厳密に言うとアルファベットも含まれますので、“英数字”と言った方が正確なのですが、ここでは便宜上“数字”と表現させていただきます。

 

そして時折、お客様でもロレックスを型式番号でお話しする方がいらっしゃいます。それを聞いて私たちは、「ロレックスがお好きな方なのかな?」と感じたりします。高級時計は趣味性が高いために、好きな方は様々な知識を身に付けます。特にロレックスは最も人気があるブランドですので、型式番号を把握する人の数も他のブランドに比べると多いように感じます。

 

 

今週は、知っておいても損はない知識として、ロレックスの“番号”について紹介いたします。

 

↑ロレックスは型式番号で語られることが多い

※画像はミルガウス116400GVとその保証書

 

 

 

 

 

 

■ロレックスの時計本体にある番号は?

 

ロレックスの時計本体には大きく分けると2つの番号があります。下をご参照ください。この2つの番号以外にも、内部のムーブメントや各部品に番号を持っていますが、重要度が低いため割愛します。

 

 

①型式番号(型番/モデル番号/Ref./リファレンス)

モデルごとに付けられる番号です。例えば、サブマリーナとエクスプローラーⅠではもちろん違った番号になります。さらにサブマリーナの中でも、日付の有無で番号が異なり、素材の違いでも番号が異なります。そして、大幅なモデルチェンジでも番号が変えられます。

 

 

②シリアル番号(製造番号/製番/固有番号)

1点1点、個別に与えられる番号です。つまり、全く型式番号が同じモデルでも、違う番号になります。ロレックスでは2010年までこのシリアル番号から製造年を割り出していたので、重要な番号として認識されています。

 

 

次に、ロレックスの型式番号とシリアル番号の確認方法です。一番簡単なのは、保証書を見ることです。年代によって紙のタイプもあれば、プラスチックカードのタイプもあります。その他の確認箇所として、本体ケースの側面があります。ただし、ブレスレット(または革バンド)を外さないと見れない場所にあるため、難易度が上がります。12時側の側面が型式番号で、6時側の側面がシリアル番号です。しかし、最近ではシリアル番号が文字盤側面に刻印されるようになりましたので、シリアル番号の確認が容易になりました。因みに、この文字盤側面の刻印のことを“ルーレット刻印”と呼ぶことがあります。

 

※シリアル番号から製造年を推定する方法は、過去の投稿「生まれ年のロレックスを選ぼう ~シリアル番号(製番)から製造年を調べる~」をご覧下さい。

 

 

 

 

 

■型式番号の存在意義とは?

 

上で紹介したように、シリアル番号は1点1点に与えられる番号です。100個同じモデルがあったとしても、その100個それぞれに異なる番号が付けられるので、“1点ずつを識別する”という面で存在意義があります。

 

では、型式番号の存在意義は何でしょうか?型式番号の役割、それは“同じ見た目、同じスペックの製品を同一視する”という役割ではないでしょうか。分かりやすいように、次で例を挙げます。

 

例えば、ロレックスの人気モデルにサブマリーナがあります。しかし、「サブマリーナ」と一言に言っても数多くの種類があるのです。分類すると以下のようになります。

 

 

 

<機能差>

・日付表示あり(サブマリーナデイト)

・日付表示なし(サブマリーナノンデイト)

 

<素材の違い>

・ステンレス

・コンビネーション(ステンレスとイエローゴールドの組み合わせ)

・金無垢(イエローゴールド、ホワイトゴールド)

 

<モデルチェンジによる差>

・現行モデル

・1世代前

・2世代前など(もっと前もあります)

 

<カラー>

・黒(標準カラー)

・緑(グリーンサブ)

・青(青サブ)など

※カラーは型式番号に現れる場合とそうでない場合があります

 

<型式番号の種類>

※ステンレスを例にしました

・116610LN

・116610LV

・16610

・16610LV

・168000

・16800

・1680

・114060

・14060M

・14060

・5513

・5512

など多数

 

 

 

例を挙げると、「日付表示あり(サブマリーナデイト)」「ステンレス」「現行モデル」だと、“116610LN”という型式番号になります。「日付表示なし(サブマリーナノンデイト)」「ステンレス(ノンデイトはステンレスのみ)」「2世代前」だと、“14060”となります。

 

↑116610LN

 

↑14060

 

このように同じ「サブマリーナ」でもたくさんの種類があり、それぞれが全く異なった価値を持っているのです。私たちもお客様からのお問い合わせの際は、どの組み合わせかを確認し、型式番号に変換してどのタイプかを特定しています。もし型式番号が存在しなければ、私たちは頭の中で整理がつかず混乱するかもしれません。型式番号の存在のお陰で、「ずばりどのモデルなのか」が特定できているのです。あと、型式番号を知っている人たちで会話をする場合は非常に便利です。余分な説明をせずに、お互いがイメージするモデルを共有できるのです。

 

 

 

 

 

 

 

■愛好家のマニア心をくすぐるロレックス

 

前述しましたが、ロレックスの型式番号は保証書かケース側面にあります。保証書は常に携帯するものではなく、ケース側面の刻印もブレスレットを外さない限り見えません。つまり、時計本体のみを一見して、型式番号を特定するのには知識が必要です。しかし、ロレックス以外のメーカーの製品に目を向けると、裏蓋にケース番号や簡易型式番号が刻印されている場合が多いのです。他メーカーと比較すると、ロレックスは型式番号を特定する難易度が高いと言えます。その難易度の高さは、愛好家のマニア心をくすぐります。

 

そして、ロレックスは同じ型式番号内で細かな変更点があったりしますので、シリアル番号が分からない状況でも、その細かな変更点と変更時期の知識があればおおよその製造年の推定が可能です。さらに、その細かな変更点や仕様により希少性が高まる場合もあります。そう、型式番号以外にも、調べれば調べるほどマニア心をくすぐる秘密が隠されているのです。

 

 

つまりロレックスに詳しくなると、一見するだけで型式番号や年式が特定でき、レアモデルかどうかも判断できます

 

ロレックスがこれほど“番号”で語られるのは、モデルを識別するという理由もありますが、ロレックスの奥深い魅力を理解したいという気持ちから来ているのかもしれません。それほどロレックスは、多くの人を虜にする偉大なブランドなのだと思います!

 

 

 

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