高級腕時計の時計通信

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6.5.2016

【オメガ】コンステレーションの裏蓋にある「天文台」は何? ~コンステレーションは高精度な時計!~

Komehyo

ブログ担当者:栗田

 

オメガの「コンステレーション」というモデルをご存知でしょうか?スポーティなデザインの「スピードマスター」や「シーマスター」とは異なり、現在のコンステレーションはオメガならではの個性的なドレッシーさを表現したモデルです。オメガを時計選びの選択肢にされたことのある方であれば、そのモデルを認識されているのではないでしょうか。

 

では、コンステレーションの裏蓋に「天文台の観測ドーム」が刻印されていることはご存知でしょうか?実は、この「天文台の観測ドーム」こそがコンステレーションの本来のコンセプトを最も表現しています。実は本来、コンステレーションはオメガのラインナップの中で高精度を売りにした「高級ライン」という位置づけだったのです。それがコンステレーションのコンセプトです。そして、その証が「天文台」なのです。

 

今週は、コンステレーションの裏蓋の「天文台の観測ドーム」に隠された意味を紐解きます。

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↑コンステレーション

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↑裏蓋にある「天文台の観測ドーム」

 

 

 

 

 

 

■天文台は「高精度の象徴」!

 

現在はクォーツ時計だけでなく、GPS腕時計や電波腕時計も存在しています。時計の時刻が正確なことは割と当たり前のように感じます。しかし、そのようなハイテク時計が登場したのは最近のことです。

 

以前は、「精度が高い時計=職人がかなり作りこんだ高級品」というイメージがありました

 

だからこそ、時計業界では精度の高さが競われたのです。そこで重要になることは「精度の高さをいかに世間にアピールするか」です。実は当時、各社がその精度の高さを表現する場が天文台でした。スイスのヌーシャテルやジュネーブ、イギリスのキュー、フランスのブザンソンなど、時計業界では知られた天文台では時計の精度を競うコンクールが開かれていました。そこで優秀な成績を収めれば、高精度な時計を製造できるメーカーであるお墨付きが得られるようなものです。「高精度」を追究するオメガはこの天文台コンクールに参加し、数々の優秀な成績を収めます。

 

これで、コンステレーションの裏蓋に天文台の観測ドームが刻印された意味が見えてきました。「天文台=高精度の象徴」という意図を汲み取ればしっくりとくるのです。つまり、オメガはコンステレーションを「高精度」にこだわったモデルにしたかったのです。

 

 

 

 

 

■コンステレーションは高級ラインだった!

 

では、実際にコンステレーションは高精度だったのでしょうか?この答えはもちろん「イエス」です。実は、コンステレーションは外部精度検定に合格した「クロノメーター」の時計として1952年に誕生したのです。当時は外部機関の精度検定に合格することが大変困難でした。そのため、合格したムーブメントの搭載機にのみ記載が許される「CHRONOMETER(クロノメーター)」の文字が時計にあることが、とても特別なことだったのです。

 

そして、コンステレーションについてもう一つ特記しなければならないことがあります。それは「自動巻」時計として誕生したという点です。ちょうど1940~1950年代は、オメガにとって「自動巻」時計を開発したばかりの黎明期にあたります。もちろん新しい発明である「自動巻」を搭載したモデルは、オメガにとってハイスペックモデルという位置づけになります。

 

つまり、コンステレーションは新時代の機構である「自動巻」ムーブメントを搭載し、さらに、高精度の証である「クロノメーター」も取得した高級ラインだったのです

 

 

 

 

 

 

■時代とともに変化するコンステレーション

 

しかし、現在のコンステレーションはかつてのモデルとはデザインもテイストも異なります。ここからは、コンステレーションの変化を理解していただくために、その誕生の起源になったモデルから現在のモデルまでかいつまんで紹介いたします。

 

1948年、オメガ社の誕生100周年を記念し、クロノメーター自動巻時計の「センテナリー」が登場します。こちらはスモールセコンド式です。そして1950年、クロノメーターのセンターセコンド自動巻ムーブメントCal.352を搭載した「オートマチック・クロノメーター」というモデルが登場しました。このモデルをベースに、「星座」を意味する名称がつけられたモデルが1952年のコンステレーションです。その後、ムーブメントや外装を進化させ、様々なバリエーションのコンステレーションが登場することになります。

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↑かつてのコンステレーションと

近年の4つ爪をもつコンステレーション

 

その後、1967年にはジェラルド・ジェンタ氏がデザインした「コンステレーションC」、1974年にはクォーツ式の「コンステレーション・メガクォーツ」が登場します。そして、ハイライトとなるのが1982年に登場したベゼルサイドに4つの爪をもつ「コンステレーション・マンハッタン」です。実はこのモデルを境に、コンステレーションは大きくデザインコードを変更します。よりドレッシーなデザインのコンステレーションとして生まれ変わりました。当初のコンステレーション・マンハッタンはベゼル部分まで広がった「サファイアガラスを固定する」という構造のために4つ爪を採用しましたが、後続するコンステレーションはこの「4つ爪スタイル」をデザインコードにします。そして、現行モデルのコンステレーションは4つ爪をフラットにし、防水性を向上させました。よりスポーティな要素が強くなったように感じます。その証拠にゴルフ界とコラボレーションをしたモデルも登場しています。

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↑スポーティになった現在の

コンステレーション

※画像は型式123.20.38.21.01.001

 

このように、コンステレーションは時代とともに変化をしています。そのため、誕生当初の「自動巻+クロノメーター」という枠を超えて、これまでに様々なバリエーションが存在しています。そして現在は、他のモデルの上に立つ高級ラインというわけではありません。しかし、すべての裏蓋に天文台の観測ドームが刻印されていることは変わりません(シースルーバックモデルは例外です)。

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

ここまでで紹介したように、オメガがコンステレーションの「天文台の観測ドーム」刻印に託した想いは「高精度」であることでした。それがモデルコンセプトです。そのためにコンステレーションはオメガのラインナップの中で、「高精度」の最先端を走るのです。2015年、スイス連邦計量・認定局(METAS)が検査をする新規格「マスタークロノメーター」に合格した世界初のモデルが「コンステレーション・グローブマスター」であることもうなずけます。

 

コンステレーションは常に、オメガの「高精度」追究の先頭を走っています。きっとこれからも、コンステレーションは進化し続けるのでしょう!

 

 

 

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