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22.11.2019

【高級時計のマニアックな常識】業界最高峰ムーブメントは、ショパールの「L.U.C 1.96」である!

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

■【高級時計のマニアックな常識】業界最高峰ムーブメントは、ショパールの「L.U.C 1.96」である!

 

今回は、「高級時計のマニアックな常識」を紹介します。つまり、一般の方には知られていないことですが、時計愛好家の方にとっては常識のひとつとなっていることをお伝えします。

 

それは、

 

時計業界の“最高峰ムーブメント”のひとつは、ショパールのL.U.C 1.96である

 

というものです。

 

この常識を聞いた多くの方が、おそらく「L.U.C 1.96って何!?」という疑問を抱くと思います。まずは、L.U.C 1.96がどういったものか、画像で紹介します。

↑L.U.C 1.96(L.U.C 96.01-L)

 

上の画像は、ショパールの「L.U.C1860」というモデルの裏蓋の画像です。シースルーになった裏蓋から、内部の機械が見えます。

 

これがショパールの自社ムーブメント「L.U.C 1.96」です。

 

現在は、「L.U.C 96.01-L」という名称に変わっていますが、まだまだこの新しい名称は浸透していないので、今回は旧名称の「L.U.C 1.96」で呼ばせていただきます。

 

L.U.C 1.96の画像を見て、きっと皆さんも、「美しい」と感じることができるのではないでしょうか。今回は、このムーブメントについて紹介します。

 

 

 

 

 

 

■L.U.C 1.96はどのようなムーブメント?

 

まずは、「L.U.C 1.96とはどのようなムーブメントか」を紹介します。

 

最初に、L.U.C 1.96の登場時の話しをしましょう。

 

かつて、汎用ムーブメントに頼っていたショパールですが、1996年自社製ムーブメントを発表します。それが、L.U.C 1.96です。翌年の1997年には、「L.U.C1860」というモデルに搭載します。

↑L.U.C1860(上)とL.U.C 1.96(下)

 

1990年代、スイスの時計のほとんどは、ETAなどのムーブメントメーカーが作った“汎用ムーブメント”を使っていました。その時代に、ショパールは“自社ムーブメント”を作ったのです。当時の時計雑誌などを見ても、時計業界で驚きと賞賛があったことがよく分かります。

 

時計業界で驚きと賞賛が起こった理由は、

 

①“宝飾メーカー”の顔もあるショパールが、時計の自社ムーブメントを作ったから

 

②ムーブメントの完成度、魅力が驚くほど高かったから

 

でしょう。

 

印象としてショパールは、ノウハウのないところから、急に最高のムーブメントを作り出したように見えました。しかしもちろん、その偉業には背景があります。

 

まず、ショパールの現在のオーナーは、ショイフレ家です。同社の共同社長であるカール-フリードリッヒ・ショイフレ氏は、志の高い人物で、“一流”を目指すタイプの人物だそうです。その社長が注力した大きな投資が“自社ムーブメント”であり、クオリティに妥協をするはずはありません。

 

そして、“一流”のムーブメントを生み出すために、ショイフレ氏は“一流”の協力者に依頼します。明らかにされている範囲では、「神の手を持つ時計師」と呼ばれるミシェル・パルミジャーニ氏が、L.U.C 1.96の原型の設計をしています。そして、その他にも、有名な時計師が関わっているようです。

 

このような経緯で誕生したムーブメントが、“安価な量産ムーブメント”のような内容なはずはありません。実際、L.U.C 1.96のスペックは、驚くほど魅力的で野心的です。次に、L.U.C 1.96のスペックを説明します。

 

 

 

 

 

 

■L.U.C 1.96のスペックとは?

 

では、L.U.C 1.96のスペックを紹介しましょう。

 

<仕様>

 

・サイズ

→ 直径27.4mm厚さ3.3mm

 

・石数:

→32石(29石)

 

・振動数

→ 2万8800振動/時

 

・パワーリザーブ

→約65時間

 

 

<特徴的な機構・仕様>

 

・自動巻機構

マイクロローターラチェット式巻上げを採用

 

・調速脱進機

巻き上げヒゲスワンネック緩急針を採用

 

・主ゼンマイ

ツインバレルにより主ゼンマイを2つ搭載

 

・作りの質

ジュネーブシール取得可能な品質で作成

 

 

 

このL.U.C 1.96のスペックを見て、その特殊性に気付ける方は一部でしょう。少し、説明します。

 

 

 

①自動巻機構について

通常は、腕の動きで回転する錘(おもり)であるローターは、ムーブメントの中央を軸として取り付けららる「センターローター」です。

 

しかし、L.U.C 1.96には、中央からオフセットさせた小ぶりなローター「マイクロローター」が採用されています。これは採用が少ない種類で、パテックフィリップなど、ごく一部のムーブメントにしか採用されていない珍しいタイプです。

 

また、通常、両方向巻上げ機構(ローターがどちらに回転しても巻き上がる仕組み)は、2つの歯車を組み合わせた「リバーサー式」を採用することが一般的です。

 

しかし、L.U.C 1.96は爪で巻き上げる「ラチェット式」を採用しています。現在でこそラチェット式は増えていますが、1990年代当時は珍しい巻上げ方式でした。

↑通常、ローターは中央に付けられる

 

 

②調速脱進機について

一般的なヒゲゼンマイは、平面にヒゲを巻く「平ヒゲ」です。しかし、L.U.C 1.96は、より高級な部品とされる「巻上げヒゲ」を採用しています。このヒゲゼンマイにより、ヒゲの収縮時の重心を中央に持ってくることができ、姿勢による精度悪化を減らす効果が見込めます。

 

また、精度の微調整装置には、クラシカルな「スワンネック緩急針」を採用しています。この緩急針は、形状の美しさが評価されることもある部品です。

↑汎用ムーブメントは平ヒゲ

 

 

③主ゼンマイについて

主ゼンマイは通常1つですが、L.U.C 1.96は、主ゼンマイを納めるバレル(香箱)を、重ねることにより2つ持っています。この「ツインバレル」の採用は当時は珍しいものでした。

 

主ゼンマイを2つ搭載した結果、当時としては長いゼンマイ持続時間(65時間)を実現しました。

↑通常、バレルは1つ

 

 

 

④作りの質について

ジュネーブの伝統的な製造方法に慣い、しっかりと手作業でムーブメントを作っています。厳しい試験に適えば、「ジュネーブシール」というお墨付きが与えられます。L.U.C 1.96は、このジュネーブシールを通すことのできるように作られています。

 

ジュネーブシールは仕上げ方法も決められていますので、自ずと、“美しい外観”をもつムーブメントが生まれます。

↑美しい仕上げ

 

 

 

 

 

■最後に

 

今回は、「時計業界の最高峰基幹ムーブメントのひとつ」と言われる、L.U.C 1.96について説明をしてきました。

 

特徴をまとめると、L.U.C 1.96は

 

・珍しい機構

 

・高級な機構

 

・美しい外観

 

を併せもっている魅力的なムーブメントなのです。

 

現在のムーブメントを見渡しても、これだけの要素を詰め込んだムーブメントはありません。これだけの要素を詰め込むと、コストが上がり、年産数も多くは望めないでしょう。これが、L.U.C 1.96を追随するムーブメントが現れない理由でしょう。

 

つまり、L.U.C 1.96の存在は希少なのです。

 

近年の基幹ムーブメントの中で、最高峰のひとつに挙げられることも納得できます!

 

 

 

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