エルメスのバーキンとケリーの年式による構造の違いをご紹介!

「同じデザインのバッグだけど、私が知っているバッグと”何か”違う!」
フリマアプリや、リユースショップなどでバッグを見たときに、違和感を感じた経験はありませんか?
外見上では分からなくても、使用されているパーツや細かい構造は、製造年などで異なっていることがあります。
今回はブランドバッグの中でも、最も歴史があり、デザインが変わらず愛され続けている「エルメスのバーキンとケリーの構造変化」についてご紹介します。

エルメス・バーキン

内側ポケットの素材

▼スエード素材の内ポケット

 

▼ヤギ革素材の内ポケット

2010年頃の製造から、ポケット内部の素材がスエードからヤギ革に変更されている商品が見受けられます。

刻印の位置

エルメスの刻印は、製造された年などを表すと言われています。
2016年以前は、ベルトの裏側に刻印がされていて、それ以降は商品の内側に刻印されていると言われています。

▼ベルト裏側の刻印

▼商品内側の刻印

ベルト金具のブランド刻印

3年程前からバッグ正面のベルト金具に刻印されている「HERMES PARIS」の横に「-」が入っています。しっかり見ないと気付かないポイントですが、内側の刻印を見なければ製造年が分からなかったバーキンにおいては、唯一、外見上から見分けれるポイントと言われています。

▼「HERMES PARIS」の横に「-」が入っている金具

▼「-」が入っていない金具

カデナに革が巻かれている


フランス語で「南京錠」を意味するカデナ。こちらにおいては、バッグ本体と同色の革が巻かれている場合があります。また、巻かれている商品は、以下の特徴があります。
・白、薄いベージュなどの淡色
・クロコダイルなどの爬虫類素材
どちらも、共通していることは、とても”デリケート”な事。

カデナは、前面の丸い金具に通すことで、両サイドのベルトを固定することが出来るのですが、その際にバッグ本体と接触することで、バッグ本体に傷がついてしまう可能性があり、それを防ぐ為に、カデナに革が巻かれていると言われています。
できるだけ長くキレイに使えるように配慮した、エルメスならではの特徴ですね。

エルメス・ケリー

エルメスのケリーもバーキンと同様に、同じ商品でも、以下の仕様に違いがあります。
・内側ポケットの素材
・刻印の位置
・ベルト金具のブランド刻印
・カデナに革が巻かれている

その他で、ケリー特有の違いは、ハンドル付け根の金具仕様です。

▼金具の跳ね返りがない

▼金具の跳ね返りがある

こちらは15年くらい前から変更されていると言われています。
大きな特徴は、ケリーバッグの「持ち手付け根にある金具の跳ね返りがあること」です。
変更された理由については、付属のショルダーストラップが取り付けやすいように変更されたと言われています。
以前の金具では、ストラップを付けながら使用をするとストラップの金具とバッグ本体の革が擦れ、傷をつけてしまう可能性がありました。
ケリーバッグは、エルメスの中でもデザイン性から上品でエレガントなバッグとして親しまれています。
そんなエレガントで高級なケリーバッグに傷がついてしまったら、ショックを受けてしまう女性が多いのではないでしょうか。
こちらもカデナと同様に、ケリーバッグを使用される方のことを考えた仕様変更ですね。

まとめ

今回の説明のように、デザインが昔も今も変わらず親しまれているアイテムでも、細かい仕様変更はあります。
変更される理由は、コピー品の製造対策など諸説ありますが、基本的には「使いやすさ」や「できるだけキレイに長く使えるように」という”クラフツマンシップの表れ”だと思います。
使い手側も、正しい知識を身に付ける事で、”違和感”というネガティブな感情ではなく、ブランドや職人を尊敬し “ブランドを好きになるきっかけ” が生まれてくるのではないでしょうか。

SHARE THIS ARTICLE